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2023/02/28

工樂教授が「遺伝学講座・みしま」で講演 (2023/1/28開催)

遺伝学講座・みしま

内容:

「魚のDNAから知る5億年前の私たちの祖先」
講師: 工樂 樹洋(国立遺伝学研究所 教授)

「海洋メタゲノムと駿河湾のスマートオーシャン化構想」
講師:五條堀 孝(MaoI機構所長、KAUST特別栄誉教授、国立遺伝学研究所名誉教授

対象:

三島市民及び近隣住民(先着350人)

日時:

令和5年1月28日(土)
13時30分から16時00分(開場13時00分)

場所:

三島市民文化会館 小ホール

申込:

要申込
三島市教育委員会生涯学習課までお申込みください。
直接生涯学習課または電子申請にて。
申込時に、①氏名(フリガナ)②電話番号③メールアドレス をお伝えください。
TEL:055-983-0881

三島市HP

2023/02/27

第3回⽇本遺伝学会春の分科会「若者フォーラム」(2023/3/27開催)

日時: 2023年3月27日(月) 10:00 – 16:15

場所: 国⽴遺伝学研究所 講堂(対⾯実施)

参加費: 無料

プログラム:

10:00  遺伝学会⻑挨拶、遺伝研所⻑挨拶、幹事から報告事項
10:15-13:15  キャリアパスセッション「どうする?!若⼿のキャリア問題」(遺伝学若⼿の会主催)

教授、中堅PI、若手、学生の4名に登壇していただき、これまでの研究生活の中で「どのような経緯で研 究室・研究テーマを選んだのか」「仕事と私生活のバランスはどのようにとっているのか」「留学経験 はあるのか」「企業就職を考えたことはあるのか」といった観点をもとに、どのようなキャリアを歩ま れてきたのかご紹介いただく。その発表に基づいてパネルディスカッションをおこなう。

13:15-16:15  フラッシュトーク・ポスター発表会(遺伝学普及・教育担当幹事主催)

お申し込みと詳細: 春の分科会ページへ

締め切り:3⽉20⽇(⽉)

2023/02/21

NBRP主催シンポジウム「バイオリソースで解決する21世紀の社会課題」 (2023/2/21開催)

日時: 2023年2月21日(月) 13時00分~17時05分予定

開催方法: オンライン

内容:

NBRPのバイオリソースを用いた最新の研究成果やバイオリソースに応用可能な最新の技術についてご紹介

講演者:

石川 亮(神戸大学)、河本 宏(京都大学)、長畑 洋佑(京都大学)、荻野 由紀子(九州大学)、日下部 りえ(理化学研究所生命機能科学研究センター)、二階堂 愛(東京医科歯科大学/理化学研究所)、大野 伸彦(自治医科大学/生理学研究所)

参加費: 無料(要事前参加登録)

お申し込みと詳細: シンポジウムページへ

主催:文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト


【お問い合わせ】

〒411-8540 静岡県三島市谷田1111
情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)広報室
Email: nbrp-pr@nig.ac.jp

2023/02/20

国立遺伝学研究所とちとせグループ マイクロバイオームデータ利活用促進に向けたデータベース機能拡張について提携を開始

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 (静岡県三島市、以下遺伝研)とちとせグループ(神奈川県川崎市、以下ちとせ)は、このたび、黒川顕教授・森宙史准教授らが中心となって開発を進める微生物統合データベース MicrobeDB.jp の民間利活用・社会実装促進を目的とした契約を締結しました。遺伝研の集積する大規模微生物データを、ちとせの有するAI技術や解析基盤を用いた解析サービスに活用することで、ヘルスケア産業界でのデータの利活用促進に貢献します。

Figure1

プレスリリース資料

2023/02/20

珍渦虫は体が破れて卵を産む 〜生殖過程の新仮説を提唱〜

プレスリリース

技術課 / 細胞建築研究室
フェノタイプ研究推進センター

Figure1

Induced spawning with gamete release from body ruptures during reproduction of Xenoturbella bocki.

Hiroaki Nakano, Ako Nakano, Akiteru Maeno, Michael C. Thorndyke

Communications Biology (2023) 6, 172 DOI:10.1038/s42003-023-04549-z

プレスリリース資料

珍渦虫(ちんうずむし)は、脳などの集中神経系や肛門などを欠いた、非常に単純な体を持つ海生動物です。その単純な構造は、多くの動物の共通祖先の特徴を残している可能性があると考えられています。そのため、ヒトも含めて、現在生きている動物の起源や進化過程の解明につながる研究対象として期待されています。しかし、珍渦虫はこれまでに世界中で6種しか報告されておらず、また、そのほとんどは採集が困難であるため、実験動物として扱いづらく、研究は進んでいません。本研究チームは、これまでに、珍渦虫の幼生の構造や卵割過程を報告していますが、個体発生や成長の過程は未解明です。

本研究では、珍渦虫を定期的に採集し調査することで、その繁殖時期が冬季であることを確認しました。そして、人工的に卵や精子を放出させる手法を確立し、放出の様子を観察することで、卵や精子は体表が破れて、その穴から体外に放出されることを明らかにしました。また、これまで、珍渦虫は成熟した卵と精子を同時に持つ雌雄同体な動物であるとされていましたが、これを確認することはできませんでした。さらに、体内受精と体外受精のいずれかも判明していませんでしたが、今回、体外受精であることが示唆されました。これらの知見を総合し、珍渦虫の卵や精子の成熟過程に関する新たな仮説を提唱しました。

今後、本研究で得られた珍渦虫の生殖に関する新たな知見や技術を生かして、珍渦虫の個体発生過程の完全な解明を目指します。これにより、動物の起源や進化過程に関する新しい情報が得られると期待されます。

本研究は、科学研究費基盤研究B(19H03279)と若手研究A(26711022)、HFSP長期フェローシップ、Swedish Research Council、スウェーデン・イエテボリ大学の王立科学アカデミー基金などの支援で実施されました。

本研究成果は「Communications Biology」に2023年2月17日(日本時間)に掲載されました。

Figure1
図1: 人工的に卵や精子を放出させる手法を施した珍渦虫Xenoturbella bocki
左:体の後端にできた穴から卵を放出しているメス個体。
右:体の後端にできた穴から精子を放出しているオス個体。
どちらの個体も左側が前方で、右側が後方。卵も精子も粘液とともに放出されている。スケールバー:5 mm

遺伝研の貢献
スウェーデンの海底から採取された雌雄それぞれ複数個体の珍渦虫についてマイクロフォーカスX線CT装置によるスキャンをおこないました。その結果、卵子や卵母細胞、精子のかたまりなどが組織標本と同様に判別可能であることを確認するとともに、それらの形態学的な特徴や体内での局在などについて全身を網羅的に調べることに貢献しました。

Figure1
図2: (a)〜(c) 珍渦虫雌のX線CT像。消化管と体表の間に複数の卵子が確認できる。(b)は赤四角部分の拡大、(c)は赤四角部分の卵子のボリュームレンダリング像。(d)〜(f) 珍渦虫雄のX線CT像。(f)は(e)の赤四角部分の拡大像。組織標本で確認された精子のかたまり(g)が、X線CT像でも確認できる(f)。この雄個体では消化器官の内部に沈み込む精子のかたまりが観察された。

▶ X線マイクロCTについてはこちら

2023/02/10

ベンサミアナタバコの全ゲノム配列を解析

Genome sequence and analysis of Nicotiana benthamiana, the model plant for interaction between organisms

Ken-ichi Kurotani, Hideki Hirakawa, Kenta Shirasawa, Yasuhiro Tanizawa, Yasukazu Nakamura, Sachiko Isobe†, Michitaka Notaguchi†

†共同責任著者

Plant and Cell Physiology 2023 Feb 9 DOI:10.1093/pcp/pcac168

プレスリリース資料

国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学生物機能開発利用研究センターの黒谷 賢一 特任講師と野田口 理孝 准教授らの研究グループは、情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所大量遺伝情報研究室の中村 保一 教授、公益財団法人かずさDNA研究所植物ゲノム・遺伝学研究室の磯部 祥子 室長と共同で、生物間相互作用のモデル植物であるベンサミアナタバコ(Nicotiana benthamiana)の全ゲノム配列(全遺伝子)を解読しました。

ベンサミアナタバコは、以前より植物ウイルス等の病害応答の研究に広く使われていました。それに加え、一般に不可能とされていた異なる科の植物との接木が可能なことを、名古屋大学の同研究グループが2020年に報告しています。

このように、ベンサミアナタバコは、異なる生物間の応答や相互作用を研究する題材として非常に優れています。しかしながら、およそ1000万年前に起こった近縁植物種間の交雑により、2種の植物の染色体に由来する複雑なゲノムを持っているため、そのゲノム構造は長らく明らかにされませんでした。

本研究では、長鎖塩基配列を解読する最新の次世代シークエンス技術を駆使し、染色体レベルに限りなく近いゲノム構造を明らかにしました。これにより、重複した遺伝子構成をより詳細に理解することが可能となりました。ベンサミアナタバコの有用な性質の科学的な理解がゲノム解読によってさらに加速することで、植物科学の今後の発展が期待されます。

本研究成果は、重要植物ゲノムの日本からの独自公開であり、2023年2月9日付、日本植物生理学会の発行する国際学術雑誌「Plant and Cell Physiology」に掲載されました。 

Figure1
図: ベンサミアナタバコのゲノム
(左)21スキャフォールド上のレトロトランスポゾンの分布。
(右)普通タバコの祖先種ゲノムとの相同性比較およびSSRマーカーによる対応する染色体領域の推定。
2023/02/07

細木拓也研究員がゴードンカンファレンスで最優秀発表一等賞を受賞

2023年の1月29日から2月3日にかけて、種分化(Speciation)のテーマに特化したゴードンカンファレンスがイタリアのルッカ近郊で開催されました。ゴードンカンファレンスは特定の分野に関して、様々な国の分野のリーダーが一箇所に集まり、未発表の最新データを発表・交換しながら議論するという権威ある国際会議です。

 生態遺伝学研究室の細木拓也研究員は、総研大生及び研究員として研究してきた津波跡地のイトヨの研究成果を発表し、多数の海外の研究者を抑えて見事にポスターの最優秀発表一等賞を獲得しました。

ゴードンカンファレンス (種分化(Speciation) 分野)

生態遺伝学研究室

大槌町で大槌を振るう細木さん
大槌町で大槌を振るう細木さん

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