Archive

2021/06/29

「夏休み子ども遺伝学講座」を開催

「身近にいる昆虫、いなくなる昆虫」
   ~昆虫はどんな世界に生きているのか~ 

日時: 令和3年7月30日(金曜日) 9:30~12:00

場所: 三島市生涯学習センター3階 講義室

講師: 中島 一豪先生(中央大学教育技術員)

対象: 三島市内小学校4~6年生

定員: 30名(応募者多数の場合、抽選)

持ち物: 筆記用具、ルーペ(持っている人)

締め切り: 7/16(金)

申し込み先:

三島市政策企画課 まで お電話・電子メール・電子申請でお申込みください。
①氏名(読み仮名必須) ②通学する小学校 ③学年 ④郵便番号 ⑤住所 ⑥電話番号
をお伝えください。
ポスターのQRコード、以下の三島市ページから電子申請もできます。

TEL:055-983-2698
E-mail: seisaku@city.mishima.shizuoka.jp
三島市ページ:https://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn046780.html
2021/06/28

マリモ巨大化の謎に迫る
―阿寒湖のマリモを育む微生物たちー

Internal microbial zonation during the massive growth of marimo, a lake ball of Aegagropila linnaei in Lake Akan
R. Nakai, I. Wakana, H. Niki
iScience 2021 June 12 DOI:10.1016/j.isci.2021.102720

プレスリリース資料

球状の集合体を作る緑藻の一種、マリモ(毬藻)は北半球に広く分布するものの、30センチを超える巨大なマリモは世界でも阿寒湖でしか見られません。なぜ阿寒湖のマリモは巨大化できるのでしょうか?

情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所の中井亮佑研究員(研究当時。現所属は産業技術総合研究所 研究員)、仁木宏典教授、釧路国際ウェットランドセンター 阿寒湖沼群・マリモ研究室の若菜勇博士らは、大きさの異なるマリモの内部に生息しているバクテリアの種類を比較研究することで、その謎に迫りました。

マリモは、直径が10センチを超えると中心部に空洞が形成されるため、大きくなるほど壊れやすくなってしまいます。ところが大きく成長したマリモでは、球体を形づくっているマリモ藻体に共生するバクテリアの層状構造が作られ、それらのバクテリア群集が藻体を相互に密着させて構造を強化していることを見出しました。さらに、バクテリアは藻体の成長に必要な栄養を供給していると考えられます。成長してさらに巨大化したマリモは、やがて波によって壊されてしまいますが、生じた破片は内部のバクテリアを受け継ぎ、巨大なマリモへと再生してゆくのです。

今年は、阿寒湖のマリモが1921年に天然記念物に指定されてから100年を迎えます。本研究成果は今後のマリモの保護や生息域の回復に役立つ手掛かりとなることが期待できます。

本研究は情報・システム研究機構の新領域融合プロジェクト「地球生命システム学」 の支援を受けておこなわれました。また一部は、科学研究費補助金(JP15H05620)の支援を受けておこなわれました。

本研究成果は、米国科学雑誌「iScience」に2021年6月13日(日本時間)に掲載されました。

Figure1

図: マリモの切断面
湖底の砂礫を含み茶色味を帯びたバクテリア層が認められる。左の表はそれぞれのバクテリア層から見出されたバクテリア分類群。色の濃淡でバクテリアの量を示し、赤くなるほど増え、青くなるほど減っている。

2021/06/17

ウェブサイトに関するネットワークシステムの不具合について

ネットワークシステムの不具合によりウェブサイトに断続的にアクセスしにくい事象が発生しています。

ご利用の皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。


Due to a network system error, the intermittent disconnection to our website happens.

We apologize for any inconvenience and appreciate your understanding and cooperation.

2021/06/16

生態系における脂肪酸の役割を総説

The evolutionary ecology of fatty-acid variation: implications for consumer adaptation and diversification.

Twining, C., Bernhardt, J., Derry, A., Cameron, H., Ishikawa, A., Kabeya, N., Kainz, M., Kitano, J., Kowarik, C., Ladd, S. N., Leal, M., Scharnweber, K., Shipley, J., and Matthews, B.

Ecology Letters 2021 June 10 DOI:10.1111/ele.13771

脂肪酸は生物にとって必要な因子ですが、陸域、海水域、淡水域などの異なる生態系には異なる組成の脂肪酸が分布しています。生態遺伝学研究室では、祖先型の海産魚が淡水魚に進化するためには、淡水生態系に少ないドコサヘキサエン酸(DHA)を合成する酵素のコピー数を増やすことが重要であることを発見し2019年に報告しています(Ishikawa et al. 2019 Science)(Research Highlights記事はこちら)。我々の本研究成果を受けて、海外の生態学者より、生態系間の脂肪酸分布の違い、及び、それが動物の進化に与える効果についてのワークショップ企画の誘いがあり、生態遺伝学研究室の北野潤教授と石川麻乃元助教(現・東京大学大学院新領域)が参加して、7カ国からの国際色豊かな研究者たちとワークショップにて議論を重ね総説を共同執筆しました。

陸域、海水域、淡水域の間では、DHAなどの脂肪酸組成が異なっていることをメタ解析した後、動物の諸機能における脂肪酸の役割を概説し、最後にそれがどのように動物の進化に影響を与えるのかについて考察しました。北野と石川は、動物の進化に関する部分を執筆しました。本総説は、生態学分野で評価の高い国際誌のエコロジーレターズに掲載されました。生態学と脂肪酸研究の更なる融合につながることが期待されます。

2021/06/15

研究所ウェブサイトの不具合が復旧

6月12日深夜から研究所ウェブサイトが閲覧できない不具合が発生していました。
6月15日午後4時現在、不具合は解消しています。

ご利用の皆様にはご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。


There was a problem that NIG website was unavailable on Jun 12th. Currently, the problem has been restored.

We apologize for any inconvenience.

2021/06/11

研究所ウェブサイトの不具合が復旧

6月11日午後から研究所ウェブサイトが閲覧できない不具合が発生していました。
6月11日午後4時現在、不具合は解消しています。

ご利用の皆様にはご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。


There was a problem that NIG website was unavailable on Jun 11th. Currently, the problem has been restored.

We apologize for any inconvenience.

2021/06/09

動物の発生を司るHoxクラスターは脊椎動物の進化過程で機能が多様化した

Press release

Figure1

An atlas of seven zebrafish hox cluster mutants provides insights into sub/neofunctionalization of vertebrate Hox clusters

Kazuya Yamada*, Akiteru Maeno*, Soh Araki, Morimichi Kikuchi, Masato Suzuki, Mizuki Ishizaka, Koumi Satoh, Kagari Akama, Yuki Kawabe, Kenya Suzuki, Daiki Kobayashi, Nanami Hamano, and Akinori Kawamura * these authors contributed equally to this work Development 148, dev198325 (2021) DOI:10.1242/dev.198325

プレスリリース資料

埼玉大学大学院理工学研究科 生体制御学コースの山田一哉 大学院生と川村哲規 准教授を中心とする研究グループは、情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 前野哲輝 技術専門職員と共同で、動物のボディープランを規定するHox遺伝子クラスターが、マウスとゼブラフィッシュの間で多くの異なった機能をもつことを明らかにしました。Hox遺伝子クラスターは、動物の体づくりの基盤となる役割を担う遺伝子群で、これまで進化的にも機能が高く保存されていると考えられていましたが、本研究結果は、脊椎動物の進化の過程の新しい側面を示すものとなります。この研究成果は、国際科学誌「Development」に6月7日付のオンライン版で掲載されました。

遺伝研の貢献 7つのHoxクラスター欠失変異体のうち、成魚まで生存した5つの変異体について マイクロフォーカスX線CT装置によるCTスキャンをおこない、成魚期の全身骨格や全身臓器の網羅的な観察に貢献しました。本解析は2019年度および2020年度国立遺伝学研究所共同研究(NIG-Joint)としておこなわれたものです。

作製したhoxクラスター欠失変異体は、全ての系統をNational BioResource Projectゼブラフィッシュ)に寄託しています。ゼブラフィッシュの発生などにおけるHox遺伝子群の機能解析として、利用することが可能です。
Figure1

図: CRISPR-Cas9によるHoxクラスター全域の欠失 CRISPR-Cas9法を用いて、Hoxクラスターの両端をターゲットとするgRNA(矢じり)を受精卵に導入し、Hoxクラスター全域を欠失させた変異体を作成した。


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