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2015/11/26

Nanos2のRNA制御に必須なパートナー分子Dead end1の同定

発生工学研究室・相賀研究室

Dead end1 is an essential partner of NANOS2 for selective binding of target RNAs in male germ cell development

Atsushi Suzuki, Yuki Niimi, Kaori Shinmyozu, Zhi Zhou, Makoto Kiso and Yumiko Saga

EMBO report. 2015 DOI:10.15252/embr.201540828

生殖細胞の発生に必須な因子として知られるNanos2は進化的に高度に保存されたZinc finger motifをもちRNA結合タンパク質として認識されている。しかし、Nanos2単独では標的RNAを認識できないことが知られており、ハエや線虫においてはやはりRNA結合タンパク質であるPumilioがそのパートナーであることが示されていた。しかし我々がマウスの胎児生殖細胞を用いて行ったNanos2免疫沈降においてPumilioは同定されず、候補タンパク質としてDead end1(DND1)を同定した。DND1はRMMモチーフを持つRNA結合タンパク質でテラトーマ形成の原因遺伝子として知られていたが、Nanos2の機能との関連は不明であった。我々は、DND1がNanos2のZinc fingerを介して直接結合すること、またその結合がNanos2のRNA認識に必須であることを示した。またDND1を胎児精巣特異的に欠損させるとNanos2タンパク質は存在するにも関わらずNanos2欠損マウスと同様の表現系を示したことから、DND1はNanos2の機能発現に必須のパートナータンパク質であることが証明できた。この研究は、「新学術領域研究:生殖細胞のエピゲノムダイナミクスとその制御及び、配偶子形成」の支援を受けています。また筆頭著者の鈴木敦は総研大出身者で卒業後も共同研究を続けています。

Figure1

Nanos2はDND1を介して標的RNAを認識・結合し、P-bodyにmRNAをリクルートする。我々は以前にNanos2がCNOT複合体と直接結合しRNAの分解に関与することを示しており、今回の結果を統合すると、生殖細胞におけるNanos2を介した標的RNA制御機構が明らかになった。

2015/11/13

マウス開発研究室の田邉彰さん、松本悠貴さんが IMGC2015にて受賞

田邉さん 松本さん

左から 田邉彰さん 松本悠貴さん

横浜で11月8日~11日に開催された29th International Mammalian Genome Conference (IMGC2015) にて、系統生物研究センター マウス開発研究室の田邉彰さん(融合プロジェクト特任研究員)、松本悠貴さん(総研大大学院生(D3))のお二人がそれぞれ賞を受賞されました。

Lorraine Flaherty Award

融合プロジェクト特任研究員 田邉彰

Outstanding Poster Presentation Award

総研大大学院生(D3)  松本悠貴


29th International Mammalian Genome Conference (IMGC2015)


2015/11/02

木村暁准教授が教授に昇任

2015年11月1日付けで細胞建築研究室の木村暁准教授が教授に昇任しました。

木村暁:構造遺伝研究センター 細胞建築研究室

木村 暁 教授

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