2023/11/13

種々のヘテロ接合度を考慮した実践的ゲノムアセンブル法の提案

中村研究室・大量遺伝情報研究室

A Practical Assembly Guideline for Genomes with Various Levels of Heterozygosity

Takako Mochizuki, Mika Sakamoto, Yasuhiro Tanizawa, Takuro Nakayama, Goro Tanifuji, Ryoma Kamikawa, Yasukazu Nakamura*
*Corresponding Author

Briefings in Bioinformatics (2023) 24, bbad337 DOI:10.1093/bib/bbad337

パシフィック・バイオサイエンシズ・オブ・カリフォルニア社のサブリードに代表されるロングリードシーケンシング技術の発展は、ゲノム配列の再構築に大きく貢献してきました。しかしながら、この技術は、ゲノム配列の再構築に役立つ長いリードを生成する一方で、高いシーケンスエラーを抱えています。このシーケンスエラーを克服し、長くて精度の高いコンティグセットの構築を目指す様々なde novo アセンブラが開発されてきました。

二倍体ゲノムのde novo アセンブリでは、ヘテロ接合度が増すにつれてより複雑になります。そのため、ヘテロ接合度はde novo アセンブリの完成度に影響を与える大きな要因の一つでありますが、ヘテロ接合度の異なる二倍対ゲノムに対するde novo アセンブラの体系的な評価は今まで行われていませんでした。

そこで、本研究では、ヘテロ接合度の異なるゲノムを用いて、ゲノムサイズやヘテロ接合度などのゲノム特性の推定、de novo アセンブリ、ポリッシング、アリルを含むコンティグの除去などの一連のプロセスを評価し、ヘテロ接合度の程度に応じたハプロタイプの代表セットを構築するための具体的なガイドラインを発表しました。

この研究は、JSPS科研費新学術領域研究 16H06279 (PAGS・先進ゲノム支援)、15H05606 、19H03274、20H03305、 17H03723 の助成を受けました。

本研究の一部は遺伝研スーパーコンピュータシステムを用いて遂行されました。

図:様々なヘテロ接合度のゲノムを用いたゲノムアセンブルの評価プロセス


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