進化的に保存された非コード塩基配列のゲノム上の位置とその機能との関連

集団遺伝研究部門・斎藤研究室

Genomic locations of conserved noncoding sequences and their proximal protein-coding genes in mammalian expression dynamics

Isaac Adeyemi Babarinde and Naruya Saitou

Molecular Biology and Evolution DOI:10.1093/molbev/msw058

哺乳類において進化的に保存された配列 (CNS)を、特にそのゲノム上の位置について調べました。ニワトリと4種の哺乳類(ヒト、マウス、イヌ、ウシ)で保存されているCNSを抽出し、これらがヒトで現在でも淘汰上の制約を受けていることを確認しました。分布パターン、ChIP-SeqとRNA-Seqデータを調べたところ、これらのCNSが制御因子であることが示唆されました。CNSとそのもっとも近傍の遺伝子のあいだの物理距離は、ヒトとマウスのゲノムで高く保存されていました。ChIP-Seqシグナルと遺伝子の発現パターンはCNSが近傍遺伝子の発現を制御していることを示していました。CNSをより多く持つ遺伝子の方がCNSが少ない遺伝子よりも、その発現は進化的により保存的でした。これらの解析結果は、CNSのゲノム上の位置がその遺伝子発現調節機能にとって重要であることを示唆しています。本論文の筆頭著者、ババリンデ博士は総研大遺伝学専攻から博士(理)を授与されたばかりです。彼は森島賞も遺伝研から受賞しています。

Figure1

ヒトとマウスの共通祖先で存在していた遺伝子とCNSのあいだのゲノム距離が現在でも保存されているかどうかを調べました。(A)は距離保存の尺度であるRDDの定義を、(B)はRDDの分布を示しています。CNSと遺伝子のあいだの距離が遺伝子間の距離よりもずっと高く保存されています。


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