子宮内膜症の仕組みの一端が見えてきた

Press Release

Allelic Imbalance in Regulation of ANRIL through Chromatin Interaction at 9p21 Endometriosis Risk Locus

Hirofumi Nakaoka, Aishwarya Gurumurthy, Takahide Hayano, Somayeh Ahmadloo, Waleed H Omer, Kosuke Yoshihara, Akihito Yamamoto, Keisuke Kurose, Takayuki Enomoto, Shigeo Akira, Kazuyoshi Hosomichi, Ituro Inoue

PLOS Genetics Published: April 7, 2016 DOI:10.1371/journal.pgen.1005893

プレスリリース資料

国立遺伝学研究所 人類遺伝研究部門 井ノ上逸朗教授らのグループは子宮内膜症のリスクとなる遺伝子多型(SNP)について、どのような分子的なメカニズムで病気が発症するのか、その一端を明らかにしました。

子宮内膜症は不妊の原因にもなりうる病気ですが、これまで発症メカニズムが不明であり、効果的な治療法がありませんでした。

本研究では、次世代シーケンサーを用いた研究により、子宮内膜症の発症リスクとなるSNPが遺伝子の調節領域に存在することを発見しました。さらに、このSNPが細胞増殖制御に重要な遺伝子、ANRILの遺伝子発現に影響することを発見しました。

本研究により、子宮内膜症の発症メカニズムの理解が深まり、治療法の確立につながることが期待されます。

本研究成果は、平成28年4月7日午後2時(米国東部時間)に米国オンラインジャーナルPLOS Genetics に掲載されました。

本研究は日本医大産婦人科と新潟大学医学部産婦人科との共同研究です。文部科学省科研基盤研究A(15H02373)の支援を受けて研究を進めました。

Figure1

子宮内膜症の原因SNPのアレル特異的な機能的変化.子宮内膜症の低リスク遺伝子型は高リスク遺伝子型に比べて、転写因子TCF7L2の結合能が強く、ANRILプロモーターとのクロマチン相互作用が強いため、エンハンサー機能が高く、ANRIL発現量が高くなる.