Involvement of the inner surface residues of bacterial SMC protein MukB in the ssDNA binding in vitro
Koichiro Akiyama (秋山光市郎), Koichi Yano (矢野晃一) & Hironori Niki (仁木宏典)
Communications Biology (2025)
細胞内には、細胞長をはるかに超える長大なDNAが格納されており、大腸菌では約2マイクロメートルの細胞に約1.5センチメートルのDNAが収められている。このDNAの凝縮には、「コンデンシン」と呼ばれるリング状タンパク質が重要であり、大腸菌ではMukBタンパク質がその役割を担っている。MukBは2つの棒状分子が端と端で結合し、リングを形成、その内側にDNAを捕捉して凝縮を促す。特に、MukBは二本鎖DNAよりも一本鎖DNAを効率よく捕捉する。本研究では、その分子機能の解明を目的に、1アミノ酸置換による多数の変異型MukBを作製し、機能解析を行った。その結果、リング内部に位置するアミノ酸残基の変異が一本鎖DNAの結合効率に影響を与えることがわかった。これらの残基はリング内で一直線に整列し、DNAが襷掛け状にMukBの端と端をつなぐことで構造が安定化し、捕捉効率が向上すると考えられる。一本鎖DNAはゲノム中の特定領域で形成されるため、MukBの集積にも関与している可能性があり、今後の研究が期待される。

MukBのリングが閉じるとセンサー残基が整列し一本鎖DNA結合領域を形成する。一本鎖DNAがリング内に入ると安定に保持され、二本鎖DNAの場合は再度放出される。