ミカンの親はどの品種?〜遺伝解析により60種以上のカンキツ類の親子関係が明らかに〜

Press Release

Hybrid Origins of Citrus Varieties Inferred from DNA Marker Analysis of Nuclear and Organelle Genomes

Tokurou Shimizu , Akira Kitajima, Keisuke Nonaka, Terutaka Yoshioka, Satoshi Ohta, Shingo Goto, Atsushi Toyoda, Asao Fujiyama, Takako Mochizuki, Hideki Nagasaki, Eli Kaminuma, Yasukazu Nakamura

PLoS One. 11, e0166969. DOI:10.1371/journal.pone.0166969

プレスリリース資料

情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 大量遺伝情報研究室 神沼英里助教、中村保一教授、比較ゲノム解析研究室 豊田敦特任教授、同研究所先端ゲノミクス推進センター 藤山秋佐夫特任教授、農研機構 果樹茶業研究部門カンキツ研究領域 清水徳朗上級研究員、京都大学農学研究科 北島宣教授らは共同で、15種のカンキツ類の全ゲノム配列を解読し、品種・系統269点について高度な遺伝解析をおこなった結果、60品種以上のカンキツ類の親子関係を明らかにしました。

日本人にとって身近な食材であるカンキツ類には、温州ミカン、レモン、ユズなど多種多様な品種があります。それらの品種は少数の祖先品種の掛け合わせにより栽培品種として選抜されてきたと考えられています。しかしながらカンキツ類は遺伝的多様性に富んでいるため、これらの品種の親子関係はほとんどわかっていませんでした。

研究グループは、品種を特徴づけるDNAマーカーを開発し、カンキツ類の遺伝解析をおこないました。その結果、温州ミカンをはじめとする22品種で両親となる品種を特定し、さらに、種子親と花粉親の組合せを明らかにしました。また、45の在来品種(5)において片親や起源、親子関係を明らかにしました。

この研究により、インド東北部からアジアにわたる地域が起源と考えられている祖先品種が世界各地へどのように伝来して現在のような多様な品種になったのか明らかになると期待されます。さらに、未利用の品種との交配組合せの可能性を示すことで、優れた性質をもつ新しい品種の開発へ応用されることが期待できます。

遺伝学研究所 比較ゲノム解析研究室 豊田敦特任教授、同研究所先端ゲノミクス推進センター 藤山秋佐夫特任教授は主要品種のゲノム配列決定をおこない、大量遺伝情報研究室 神沼英里助教、中村保一教授はカンキツ類SNP(一塩基多型)解析の技術開発をおこなうことで本研究に貢献しました。

本研究は、新領域融合プロジェクト「生命システム」サブテーマ1超大量ゲノム情報(代表:藤山秋佐夫)、農林水産省委託プロジェクト研究「ゲノム情報を活用した農畜産物の次世代生産基盤技術の開発プロジェクト」(代表:清水徳朗)、科学研究費補助金 基盤研究B「海のカンキツロードの解明」(代表:北島 宣)の支援を受けて実施されました。

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少数のカンキツ類祖先品種から多様なカンキツ類品種が分化した