ヒトテロメア配列を認識するポリアミド化合物の特異性の向上

生体高分子研究室・前島研究室

(i) Structural Evaluation of Tandem Hairpin Pyrrole–Imidazole Polyam-ides Recognizing Human Telomeres

Hirata, A., Nokihara, K., Kawamoto, Y., Bando, T., Sasaki, A., Ide, S., Maeshima, K., Kasama, T., and Sugiyama, H. Journal of the American Chemical Society (JACS), July 18, 2014. DOI: 10.1021/ja506058e

(ii) Tandem Trimer Pyrrole-Imidazole Polyamide Probes Targeting 18 Base Pairs in Human Telomere Sequences

Kawamoto, Y., Sasaki, A., Hashiya, K., Ide, S., Bando, T. *, Maeshima, K. *, and Sugiyama, H.*
*co-corresponding authors
Chemical Science, January 20, 2015. DOI: 10.1039/C4SC03755C

ピロール・イミダゾール(PI)ポリアミド化合物は、DNAの二重らせんの副溝を通して、塩基配列を特異的に認識することができます。この方法は、これまで行われていた、FISHなどの塩基対を認識させる方法に比べ、迅速、簡便、そしてクロマチン構造が維持できるような温和な条件で塩基対認識を行える利点を持ちます。これまでに私たちは、哺乳類のテロメアDNA [(TTAGGG)n]を認識するPIポリアミド(TH59)の合成(Maeshima et al., EMBO J. 2001)および、その大量合成法を開発してきました (Kawamoto et al., JACS. 2013)。

今回、従来のTH59を改良し、テロメア配列への結合特異性を上げることに成功しました。TH59はヘアピン構造が二つヒンジを介して連結し、テロメアリピートに結合します。本論文では、ヒンジの長さを至適化したポリアミド (HPTH59-b, 図A)、ヘアピン構造を三つ連結させ、より長い18bpテロメアリピートを認識するポリアミド (TT59, 図B)を合成しました。これらの改良により、ポリアミドが非特異的配列に結合する頻度を減少させ、テロメア領域以外からのシグナルを飛躍的に減少させることができました。今後、簡便かつ高精度なテロメア長の定量法として、基礎研究のみならず臨床分野において広く用いられることが期待されます。

本研究は、京都大・理学研究科・杉山教授グループおよび株式会社ハイペップ研究所 (京都府)との共同研究です。遺伝研・共同研究Bのサポートを得ておこなわれました。

Figure1

(A)ヒンジが改良されたHPTH59-bの模式図。改良型ヒンジ領域の化学構造が示されている。
(B)左、ヘアピン構造を三つ連結させたTT59ポリアミドの模式図、および結合様式。右、染色体スプレッドをTT59で標識した画像。青色 (DNA染色)の染色体末端が緑色のドット状に標識されている。


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