岩里研究室・神経回路構築研究室

マウスを用いた脳神経回路発達の分子から個体までの統合的解析

教員

岩里 琢治

教授

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Research Summary

哺乳類の脳は高度な情報処理能力をもっていますが、その基盤となるのは、精密に構築された複雑な神経回路です。その発達の仕組みを理解するためには、分子から動物個体までの統合的な研究が必要不可欠です。本研究室では、分子生物学、マウス遺伝学を基盤とし、in vivoでの遺伝子操作や二光子顕微鏡イメージングなど多角的なアプローチによって、哺乳類の神経回路が発達し機能する仕組みを明らかにすることを目指しています。特に、外界からの刺激の影響を強く受ける子どもの時期の回路発達(神経活動依存的な回路発達)に興味を持っています。

(左図)大脳皮質の“体表面感覚地図”(マウスでは主にヒゲ感覚)を遺伝子操作によりGFP標識した。
(右図)独自に開発した手法でヒゲ地図の神経細胞を疎らにRFP標識し、その成長を二光子顕微鏡を用いて経時観察した。新生仔脳の神経細胞が特定の入力(写真では右側に1本のヒゲからの入力)に向かって樹状突起を展開する過程の観察に成功した(世界初!)。

Selected Publications

Nakagawa N, Iwasato T. Golgi polarity shift instructs dendritic refinement in the neonatal cortex by mediating NMDA receptor signaling. Cell Rep. 2023 Aug 29;42(8):112843.

Nakazawa S, Yoshimura Y, Takagi M, Mizuno H, Iwasato T. Developmental Phase Transitions in Spatial Organization of Spontaneous Activity in Postnatal Barrel Cortex Layer 4. J Neurosci. 2020 Sep 30;40(40):7637-7650.

Nakazawa S, Mizuno H, Iwasato T. Differential dynamics of cortical neuron dendritic trees revealed by long-term in vivo imaging in neonates. Nat Commun. 2018 Aug 6;9(1):3106.

Mizuno H, Ikezoe K, Nakazawa S, Sato T, Kitamura K, Iwasato T. Patchwork-Type Spontaneous Activity in Neonatal Barrel Cortex Layer 4 Transmitted via Thalamocortical Projections. Cell Rep. 2018 Jan 2;22(1):123-135.


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