2024/07/05

ヨモギにできる虫こぶの多様性を解明

プレスリリース

技術課 / フェノタイプ研究推進センター / 細胞建築研究室

ヨモギの葉や茎に作られる多様な虫こぶとマイクロCTによる解析画像

Exploring the diversity of galls on Artemisia indica induced by Rhopalomyia species through morphological and transcriptome analyses.

Seiji Takeda, Makiko Yoza, Sawako Ueda, Sakura Takeuchi, Akiteru Maeno, Tomoaki Sakamoto, Seisuke Kimura

Plant Direct (2024) 8, e619 DOI:10.1002/pld3.619

プレスリリース資料

京都府立大学の武田征士 准教授(細胞工学研究室)、国立遺伝学研究所の前野哲輝技術専門職員、京都産業大学の木村成介 教授(生態進化発生学研究室)らの共同研究グループは、ヨモギに作られる虫こぶの多様性を生み出す仕組みを明らかにしました。葉や茎に作られる虫こぶの形態と発現遺伝子の解析を行った結果、虫こぶでは、元の光合成器官(ソース器官)から、新たな花や実のような機能を持つ蓄積器官(シンク器官)への運命転換が行われていることが分かりました。小さな昆虫が植物の運命を大きく変えるこの能力の解明は、機能性成分を蓄積する植物器官の人為的誘導というような技術開発につながる可能性があります。

本研究は、文部科学省および日本学術振興会の科学研究費補助金(JP21K06234, JP21H02513)、国立遺伝学研究所NIG-JOINT(44A2020, 64A2021, 20A2022) の支援を受けて行われました。

本研究成果は、国際学術誌「Plant Direct」に、令和6年7月2日に掲載されました。

図: 虫こぶは、花や果実を作る遺伝子がいきなりオンになっている

動画: MicroCTによる虫こぶの形態観察

  • マイクロCTが本研究の基盤の一つになっています。フェノタイプ研究推進センターでは研究者コミュニティ向けに、本技術を用いた撮影支援を受益者負担の受託型事業として提供しています。

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