NIESカルチャーコレクションのシアノバクテリアの網羅的かつ高精度なゲノム解析に成功

Press Release



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Genome sequencing of the NIES Cyanobacteria collection with a focus on the heterocyst-forming clade

Y. Hirose, Y. Ohtsubo, N. Misawa, C. Yonekawa, N. Nagao, Y. Shimura, T. Fujisawa, Y. Kanesaki, H. Katoh, M. Katayama, H. Yamaguchi, H. Yoshikawa, M. Ikeuchi, T. Eki, Y. Nakamura, M. Kawachi

DNA Research 2021 Oct 22 DOI:10.1093/dnares/dsab024

プレスリリース資料

シアノバクテリアは酸素発生型光合成を行う細菌の一種です。シアノバクテリアは植物の葉緑体の起源であり,光合成反応の基礎研究やバイオマス生産等の応用研究,さらに地球の物質循環などの生態学的研究においても注目されています。シアノバクテリアの中には,異型細胞(ヘテロシスト)と呼ばれる,窒素固定反応を専門に行う細胞を作るグループが存在します。このグループはゲノムサイズが大きく,他のグループと比べて精度の高いゲノム情報の整備が遅れていました。

豊橋技術科学大学の広瀬侑助教らは,国立環境研究所(NIES)の河地正伸室長,国立遺伝学研究所の中村保一教授らと国内6大学の研究者との共同研究により,NIESが保管する28株のヘテロシスト形成株と3株の非形成株,あわせて31株のシアノバクテリアの高精度なゲノム情報の整備に成功しました。

ゲノム解析株はNIESカルチャーコレクション(国立環境研究所 微生物系統保存施設),ゲノム情報は国立遺伝学研究所の参画する国際データベースをそれぞれ通じて全世界に公開されています。

本研究により,シアノバクテリアの多様性の理解と,それを活用した基礎・応用研究の進展が期待できます。なお本研究は,文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクトのゲノム情報等整備プログラムの一環として行われました。

本研究成果は、英国科学雑誌「DNA Research」に2021年10月22日に掲載されました。

遺伝研の貢献
ゲノム塩基配列からの遺伝子領域の予測と機能アノテーションを、中村研究室で開発した微生物アノテーションパイプライン DFAST を用いて実施しました。その際の参照データベースとして同研究室で開発した藍藻ゲノムデータベースCyanoBase の情報を活用しました。

本研究は、文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)の支援(ゲノム情報等整備プログラム、課題名「NIESコレクションのシアノバクテリアのゲノム情報整備」)を受けて行われました。

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図: ゲノム解析を行った31株のシアノバクテリアの系統関係


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