経口投与によるRNA干渉法を用いた害虫の早期食害停止の誘発に成功

Press Release

Oral RNAi of diap1 results in rapid reduction of damage to potatoes in Henosepilachna vigintioctopunctata

Yasuhiko Chikami, Haruka Kawaguchi, Takamasa Suzuki, Hirofumi Yoshioka, Yutaka Sato, Toshinobu Yaginuma and Teruyuki Niimi

Journal of Pest Science 2020 September 10 DOI:10.1007/s10340-020-01276-w

プレスリリース資料

近年、化学農薬とは異なる害虫防除法として、RNA干渉(RNAi)法を利用した防除法(RNA農薬)が注目されています。RNA農薬は、二本鎖RNAを害虫種に投与し、RNAiを誘導することで、内在遺伝子の機能を阻害し、害虫の駆除を目指すものです。効果的なRNA農薬の実現には、最適な標的遺伝子の選定が必須となります。しかし、RNA農薬の候補としてこれまでに標的にされてきた致死や成長阻害をもたらす遺伝子の場合、効果の誘発までに時間を要するため、その間も農作物への食害が進行してしまう点が課題となっていました。

今回、基礎生物学研究所及び総合研究大学院大学の千頭康彦大学院生と新美輝幸教授らのグループは、中部大学の鈴木孝征准教授、名古屋大学の吉岡博文准教授、柳沼利信名誉教授、国立遺伝学研究所の佐藤豊教授との共同研究により、ナス科(主にジャガイモやトマトなど)の害虫であるニジュウヤホシテントウにおいてプログラム細胞死を阻害する遺伝子(diap1)の二本鎖RNAの経口投与により、 24時間以内という速効的な食害停止の誘発に成功しました。さらに、本研究成果に基づき、共同研究チームはRNA農薬の標的遺伝子選定の新たな評価基準として早期の食害停止効果を提案しました。

本研究は、総合研究大学院大学学融合推進センター、大学共同利用機関法人自然科学研究機構産学連携支援事業(01511902)などの助成を受けて行われました。

本研究成果はJournal of Pest Scienceに掲載予定で、2020年9月10日にオンライン先行公開されました。

遺伝研の貢献
遺伝研は小分子RNAによる遺伝子発現解析に貢献しました。

Figure1

図:本研究の概略図


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