齧歯類「カピバラ」のゲノム配列決定とその進化学的解析

Press Release

The dynamics, causes and impacts of mammalian evolutionary rates revealed by the analyses of capybara draft genome sequences

Isaac Adeyemi Babarinde and Naruya Saitou

Genome Biology and Evolution (2020) evaa157 DOI:10.1093/gbe/evaa157

プレスリリース資料

哺乳類の中でも特にネズミの仲間である齧歯類のDNAの進化は特殊です。そこで、齧歯類のなかで最大の体重を有するカピバラの概要ゲノム配列を決定し解析しました。

その結果、カピバラゲノムの大きさはヒトゲノムの80%程度であることが判明しました。さらに、他の哺乳類のゲノムと比較した結果、カピバラはモルモットよりも60倍体重が大きいが、両者のゲノム進化速度は似通っていることが明らかになりました。このように、どの系統群に属するのかという要因のほかに、世代時間と一度に産む子供数が中立進化速度と相関していました。また、肝臓トランスクリプトーム解析を行なった結果、遺伝子の発現パターンがこれらの進化速度に影響されていることがわかりました。  

今後も、未だゲノム配列の決定されていない哺乳類に着目し、そのゲノム配列を決定・解析することで哺乳類の形態進化をゲノムデータから推定していきます。

本研究は、情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 集団遺伝学研究室のアイザック・ババリンデ博士(総研大遺伝学専攻修了生)と斎藤成也教授によって実施されました。

本研究成果は、英国科学雑誌「Genome Biology and Evolution」に2020年8月24日に掲載されました。

Figure1

写真左: ありし日のカピバラ「雷ちゃん」(写真提供:伊豆シャボテン動物公園)
写真右:斎藤研究室で総合研究大学院大学の博士号を取得し、現在中国でポストドクをしているババリンデ博士(アフリカ・ナイジェリア出身)


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