セントロメア内のクロマチン構造

分子遺伝研究部門・深川研究室

The centromeric nucleosome-like CENP–T–W–S–X complex induces positive supercoils into DNA
Kozo Takeuchi, Tatsuya Nishino, Kouta Mayanagi, Naoki Horikoshi,, Akihisa Osakabe, Hiroaki Tachiwana, Tetsuya Hori, Hitoshi Kurumizaka and Tatsuo Fukagawa
Nucleic Acids Research, (2013), doi:10.1093/nar/gkt1124

染色体の分配に必須なセントロメア領域は、DNA配列によってその場所が規定されるのではなく、エピジェネティックな情報により規定されると考えられています。セントロメアに特異的なヒストンバリアントであるCENP-Aは、その中心的な役割を果たすと考えられていますが、分子遺伝研究部門では、CENP-T-W-S-Xという新規の複合体もセントロメア形成に重要な働きを担うことを報告しています (Nishino et al., Cell, 2012)。今回、大学院生および特任研究員として分子遺伝研究部門に所属していた竹内康造らは、CENP-T-W-S-XがDNAに正の超らせんを導入することを発見しました。通常のヌクレオソームを構成するヒストン8量体は、DNAへ負の超らせんを導入することが知られているので、CENP-T-W-S-XがDNAに結合する際に導入されるユニークな構造的な性質は、セントロメアに特異的なエピジェネティック情報を与えていると予想されます。竹内らは、正の超らせん構造の導入に関わるCENP-TやCENP-W内のアミノ酸部位も特定しており、今回の発見は、セントロメアのクロマチン構造の理解を前進させる重要な発見と言えます。

Figure1

正と負の超らせんを区別する実験系(上)。負の超らせんは、クロロキンの存在下で早く流れるのでその特性をいかしている。下は、ヒストン8量体とCENP-T-W-S-Xの実験データ。CENP-T-W-S-XはDNAへ正の超らせんを導入している。


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