分子細胞工学研究部門・鐘巻研究室

ヒト細胞における新たな分子遺伝学を用いたDNAトランスアクションの解析

教員




Research Summary

当研究室は、植物ホルモンオーキシンにより活性化される、植物内のタンパク質分解メカニズムをヒト細胞に移植することで、特定のタンパク質をオーキシン依存的に分解除去するAID法を開発しました。さらに、CRISPR/Casゲノム編集技術と組み合わせ、ヒトコンディショナル変異細胞を作る方法を確立しました。作成した変異細胞では、半減期30分以下で標的タンパク質を分解除去することができます。AID技術を応用してヒトゲノムDNAがいかに維持されているのか、特にDNA複製と他のDNAトランスアクションの関連性を明らかにしようとしています。

オーキシン誘導デグロン(AID)法 
(A)AID法の原理。植物由来のF-box因子TIR1を発現させた細胞において、TIR1は内在性因子とSCF-TIR1 E3ユビキチンリガーゼ複合体を形成する。オーキシンはTIR1とAIDタグの結合を促進することで、AID融合タンパク質を分解に導く。
(B)TIR1とGFP-AIDに核局在シグナルを融合したタンパク質を人293細胞に発現させた。培地にオーキシン添加後、経時的にGFPを観察した。
(C)GFPシグナルを定量化した。60分程度で大部分のGFPが分解されていることがわかる。

Publications

Natsume, T., Kiyomitsu, T., Saga, Y., and Kanemaki, M.T. (2016). Rapid protein depletion in human cells by auxin-inducible degron tagging with short homology donors. Cell Reports 15, 210-218.

Nishimura, K., and Kanemaki, M.T. (2014). Rapid Depletion of Budding Yeast Proteins via the Fusion of an Auxin-Inducible Degron (AID). Cur Protoc Cell Biol 64, 20.9.1-20.9.16.

Nishimura, K., Ishiai, M., Horikawa, K., Fukagawa, T., Takata, M., Takisawa, H., and Kanemaki, M.T. (2012). Mcm8 and Mcm9 Form a Complex that Functions in Homologous Recombination Repair Induced by DNA Interstrand Crosslinks. Molecular Cell 47, 511-522.