マウス開発研究室 小出研究室 松本 悠貴 さん

松本 悠貴
研究内容は?
マウスが人に馴れる性質に関わる遺伝子を、行動実験とコンピュータを使って明らかにしようとしています。
まず、馴れるマウスを選んでそれらを交配させるという、選択交配を行います。その後、選択を受けた集団とその対照となる集団のゲノム全域の遺伝子の多型の頻度の違いを比べて、差が顕著なところを見つけます。また、この方法とは別に、コンピュータシミュレーションを用いた解析も行っています。この方法のアイデアは私が考えたものですが、プログラミングについての知識はほとんどなかったので、いろんな方に教えてもらいながら進めています。
なぜその研究をやろうと思ったのですか?
学部生のときにアホウドリの保護に関わるプロジェクトに参加する機会があって、小笠原の無人島で1ヶ月くらいキャンプ生活をしました。そのとき、そこにすごいいろんな種類の野生生物がいて、その多様さに感動しました。そういう多様性はどこから来るのか、遺伝的な側面から理解したいなと思いました。
遺伝研に来たのは、遺伝学で一流のところでしっかり学んでから、最終的には野生生物でその技術を生かしてやっていきたいと思ったからです。生物の行動や形などの形質の遺伝的なメカニズムと、そのメカニズムの基となる遺伝的多様性がどうやって生まれるかを解明したいと思っています。
あと、絶滅危惧種をどう交配すればいいかとか、遺伝的にどんな多様性が必要かとか、遺伝学を野生生物の保全に使えるようになりたいですね。
遺伝研を知ったきっかけは?
ある学会で、総研大の学生の発表を見たことが総研大を知ったきっかけです。それで調べてみると、総研大に遺伝研も含まれていて、そこで初めて遺伝研のことを知りました。私がいた学部は文系や理系が混じっている学部で、いろいろ広い視点から見ることが重要だと思っていました。なので、遺伝学で一流の場所であると同時に、総研大の他の専攻と交流がある環境に惹かれました。
他の大学院も見に行きましたか?
京大の野生動物研究センターを訪問しましたけど、遺伝研は遺伝学の専門家がたくさんいますし、ラボ間や他の研究所との交流も活発で、総研大の他の学生とも交流できる上に、経済的な支援があることが魅力的でした。遺伝学を学びつつ広い視野で学べるので、こっちの方がいいなと。
入学後、いろんな場面で遺伝研や総研大の恩恵を受けることができたので、とても満足しています。
入試の思い出は?
面接で、大学での卒業研究を5分くらいで発表しなければならないので、大学の空き部屋を使って一人で練習したのはいい思い出です(笑)。
当日の面接では、セミナー室に30人くらい先生がいて、部屋に入ったときはとても緊張しました。実際に面接が始まってからは、一番前の先生が「そんなに緊張しなくていいよ」って笑いながら言ってくれましたし、他の先生方も笑ったりして、意外とアットホームな雰囲気で進んでいったので、最後の方は気楽にやっていました。
後輩へのアドバイスは?
体験入学はした方がいいでしょうね。一流の研究室での研究生活を味わえる上に、旅費も支援してもらえるので、利用しない手はないです。実際にその研究室で過ごしてみないとわからないことが結構あるので、行きたい研究室には一度は行っておいた方がいいと思います。
あとは面接の練習と英語。遺伝研の授業はほぼ全部英語ですし、留学生も多いのでコミュニケーションをするには英語が必要ですからね。どちらにしても、今後研究職で生きていくなら英語は絶対必要でしょうから、学部の比較的時間がある時に英語を勉強しておいた方がいいと思います。
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