2025/09/16

国立遺伝学研究所新分野創造センター遺伝子量生物学研究室(PI:佐々木真理子) 博士研究員(ポスドク)募集

 私たちの研究室では、「ゲノム不安定性」「遺伝子増幅」「環状DNA」を中心的テーマとして研究を行っています。

 がん細胞ではゲノムが不安定化し、その結果としてがん化を促進する遺伝子のコピー数が増加する「遺伝子増幅」が頻繁に生じます。遺伝子増幅は、これまで染色体上で起こる現象と考えられてきましたが、近年、がん遺伝子を含む領域が染色体外で環状化した「染色体外DNA(Extrachromosomal DNA [ecDNA])」を介した増幅が世界的に注目されています。実際にecDNAは、がん患者由来検体の約17%で検出され、がん化、がんの進行、治療抵抗性に直結する因子です。さらに、ecDNAは元々染色体由来であるにも関わらず、染色体上とは異なるクロマチン構造、遺伝子発現パターン、分配様式などを示します。しかし、ecDNAの形成メカニズムや特殊性の根本原理は、謎が多く残されています。私達は、多角的なアプローチを用いて以下の問いに挑んでいます。

 ecDNAはどのような分子メカニズムで形成されるのか?
 環状化することによって、どのような新しい性質を獲得するのか?
 (特にDNA複製・組換え・修復の3R)
 がん細胞内でecDNAはどのように変化し、がんの進行や治療抵抗性を引き起こすのか?

また、ecDNAに限らず、多様な環状DNAについても研究し、環状DNAの形成・維持機構や固有の性質を理解し、それを利用したがん治療法の開発や応用研究にも挑んでいきたいと考えています。そこで、分子生物学、遺伝学、生化学、細胞生物学、生物物理学、ゲノム生物学などの分野で研究経験をもち、上記の研究課題に取り組んでいただける博士研究員を募集しています。

国立遺伝学研究所は、国際的に高く評価される研究機関で、最先端の共通機器と恵まれた研究支援体制を有しています。世界各国から集まる優れた研究者とともに、英語を用いたセミナーやディスカッションが日常的に行われており、国際的に活躍できる視点とネットワークを築くことが可能です。

 将来的に日本学術振興会特別研究員への応募、ご自身での外部フェローシップおよび外部資金を獲得する意欲のある方を歓迎します。自立した研究者としてキャリアを築きたい方の積極的な応募をお待ちしています。また遺伝研では、毎年国立遺伝学研究所博士研究員の募集も行っていますので、そちらもご参照ください(2026年度の募集は締め切り)。


【募集人数】1名
【勤務地】静岡県三島市谷田1111
【応募資格】理系の博士号を取得した方、又は着任までに博士号を取得見込みの方、研究室の一員として協調性をもって職務に取り組み、大学院生の指導などにも積極的に取り組んでいただける方を募集します。
【待遇】給与:年俸額410万円程度(情報・システム研究機構の規定による)
文部科学共済、雇用保険、労災保険
【勤務時間】裁量労働制
休日 : 土・日曜日、祝日法に基づく休日、12月29日~1月3日、夏季休業
【契約期間】契約期間は最長2028年3月までで、一年ごとに契約更新
外部フェローシップを獲得している方はその期間内で更新あり
【募集期間】2025年12月31日
随時選考を行い、採用が決まり次第募集を締め切ります。
【着任時期】2026年1月1日以降。着任時期を早めたい方はご相談ください。
【応募方法】(1)履歴書(書式自由、写真付き、メールアドレスを明記、年号は西暦)
(2)これまでの研究内容(A4で1–3枚程度)
(3)志望動機(A4で1–3枚程度)
(3)研究業績リスト(原著論文、総説、著書、学会発表、取得研究費など)
(4)所見を求めることができる2名以上の氏名と連絡先
一つのPDFファイルにまとめてメールで送ってください。着任時期について特に希望がある場合はお知らせください。
メール件名には「遺伝子量生物学研究室 ポスドク応募」と明記して下さい。
【選考方法】書類選考通過者は、研究計画提案書を提出していただく可能性があります。面接を行い、所内でセミナーをしていただくこともあります。
【備考】PIのこれまでの業績は research map研究室紹介 を御覧ください。

提出いただいた書類は、情報・システム研究機構個人情報保護規程に則り厳重に管理し、採用審査の用途に限り使用します。
【問合先と
提出先など】
国立遺伝学研究所 遺伝子量生物学研究室
佐々木 真理子


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