2021/04/16

転写における相分離の役割に対する前島一博教授(ゲノムダイナミクス研究室)のコメントがMolecular Cell誌に掲載されました。

遺伝メカニズム研究系・ゲノムダイナミクス研究室 前島一博教授の転写における相分離の役割に対するコメント “New door to understanding transcription, open with caution.” がMolecular Cell誌(Cell Press)4月15日号 に掲載されました。
→https://www.cell.com/molecular-cell/fulltext/S1097-2765(21)00267-7

近年、細胞生物学において、「液―液相分離(liquid-liquid phase separation)」と呼ばれる原理が脚光を浴びています。液―液相分離によって細胞内の特定分子の濃度を高め、膜の無い構造体「液滴」を作ることができ、細胞の機能を時間的・空間的に制御することが可能になると考えられています。この概念に同調して多くの研究者が様々な分子の細胞内集合を液滴と主張しています。

今回、前島教授は、液―液相分離による液滴形成が細胞生物学においてとてもエキサイティングな概念である一方、「液滴」の存在を細胞内で証明するためのツールが不足しており、「個々の分子の振る舞いの観察に立脚した慎重な研究」が必要であると論じています。


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