日本人に感染しているEBウイルスが他のアジア地域のEBウイルスと異なることを発見

Press Release

A global phylogenetic analysis of Japanese tonsil-derived Epstein–Barr virus strains using viral whole-genome cloning and long-read sequencing

Misako Yajima, Risako Kakuta, Yutaro Saito, Shiori Kitaya, Atsushi Toyoda, Kazufumi Ikuta, Jun Yasuda, Nobuo Ohta and Teru Kanda

J Gen Virol. 2021 January 12 DOI:10.1099/jgv.0.001549

プレスリリース資料

東北医科薬科大学 医学部の神田 輝(かんだ てる)教授(微生物学教室)と太田 伸男(おおた のぶお)教授(耳鼻咽喉科学教室)らの研究グループは、国立遺伝学研究所、東北大学 東北メディカル・メガバンク機構との共同研究により、日本人の扁桃組織に潜伏感染しているEBウイルスが、他のアジア地域でみられるEBウイルス株とは異なる系統であることを明らかにしました。EBウイルスが関連する疾患にはアジアの特定の地域に好発する  ものがあり、本研究は、アジアにおけるEBウイルス株の地域分布とEBウイルス関連疾患の地域偏在が一致する可能性があることを示した初めての報告です。

本研究結果は2021年1月12日付で国際専門誌Journal of General Virology誌のオンライン版に掲載されました(doi: 10.1099/jgv.0.001549)。

なお、本研究は日本学術振興会科学研究費助成事業 基盤研究(C)、文部科学省科学研究費助成事業 新学術領域研究 先進ゲノム支援(PAGS)、日本医療研究開発機構、三菱財団研究助成の支援を受けて行われたものです。

遺伝研の貢献
Pacific Biosciences社のSequelシステムを用いて、日本人に感染しているEBウイルスのゲノム情報を整備しました。本解析は2018年度先進ゲノム支援の支援課題としておこなわれたものです。

Figure1

図: 世界のEBウイルス株の系統樹
EBウイルス関連疾患ではない検体(扁桃、唾液、血液など)から得られたEBウイルス株のウイルスゲノム全長の塩基配列情報を用いて系統樹を作成した。アジア地域のEBウイルス株の中で、日本を含む東アジアの株と中国南部・東南アジアの株は異なるグループを形成していることが明らかになった。


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