転写因子Ebf3は前骨芽細胞の形成を制御する

Transient and lineage-restricted requirement of Ebf3 for sternum ossification

Mao Kuriki, Fuminori Sato, Hiroyuki N Arai, Maina Sogabe, Mari Kaneko, Hiroshi Kiyonari, Koichi Kawakami, Yuki Yoshimoto, Chisa Shukunami, Atsuko Sehara-Fujisawa

Development 147, dev186239 (2020). DOI:10.1242/dev.186239

1. 背景
脊椎動物の発生過程において、骨芽細胞(Osteoblast)は間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell)から分化してきます。また間葉系幹細胞は、軟骨細胞(chondrocyte)、腱細胞(tenocyte)、筋結合組織(muscle connective tissue)など骨の周辺細胞へ分化します。しかしながら、これらの細胞がどのようにできてくるのか? 詳細な細胞系譜はわかっていませんでした。

2. 結果
本研究で私たちは、ゼブラフィッシュのエンハンサートラップ系統の解析から、転写因子Ebf3がゼブラフィッシュ 稚魚期の腱細胞および筋結合組織で発現していることを見出しました。マウスにおいてEbf3をノックアウトしたところ、軟骨形成には影響を与えませんでしたが、Runx2を発現する前骨芽細胞の生成に欠損を示し、胸骨の骨化の欠損を引き起こしました。Ebf3の条件付きノックアウトマウスを作製し解析したところ、Ebf3は側板中胚葉細胞(LPM)、特に腱/筋肉結合組織細胞形成に重要であること、および胚の発生段階の9.5-10.5日において必要であることを明らかにしました。

3. 今後の期待
本研究は、側板中胚葉由来の細胞の発生文化におけるEbf3の重要な役割を示しました。Ebf3の標的遺伝子の同定側板中胚葉の分化についての詳細なメカニズムの理解につながるでしょう。

本研究は、京都大学ウィルス•再生医科学研究所瀬原敦子教授の研究室との共同研究として行われました。本研究は部分的にNBRPに支援されました。

Figure1

図1:ゼブラフィッシュ ebf3遺伝子トラップ系統におけるGFP(Gal4)の腱細胞および筋結合組織での発現(受精後48時間および60時間後)。

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図2:前骨芽細胞形成におけるEbf3の役割。


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