2004/12/01

黒田名誉教授 日本動物実験代替法学会 学会賞を受賞

日本動物実験代替法学会
日本動物実験代替法学会は、Replacement (置換)、Reduction (縮小)、Refinement (洗練)という“3つの R ”を提唱して、ネズミ、ウサギ、サルなどの実験動物を使用した実験を少なくして、それに代わる新しい研究法を開発し、また実験そのものの経費や労力を少な くし、結果の客観性や再現性、定量性などの精度を高めることを目的として、1984年(昭和54年)に設立された。黒田名誉教授は、わが国における動物細 胞の体外培養の開拓者の1人で、1950年に大学を卒業して以来、現在までの約半世紀に亘って、一貫して昆虫(ショウジョウバエ)や哺乳類(ヒト、マウ ス、ハムスターなど)の動物細胞の体外培養系の技法の開発と、それを用いて細胞の分化、組織再形成、発がんのイニシエーション(遺伝子突然変異)、環境変 異原や抗変異原の検出とその作用機構などの研究を行い、その成果を Nature, Experimental Cell Research, Cancer Research, Mutation Research などの多数の国際誌や国際学会などで発表してきた。この動物実験代替法学会の設立にあたっては、発起人の一人として尽力し、副会長その他の委員役職、評議 員など学会の運営にも貢献した努力が評価され、今回の第1回学会賞の受賞となった。

本年11月30日~12月2日、長崎での学会では、日本環境変異原学会との合同学術大会であったが、黒田名誉教授は1998年(平成10年)この 学会でも「哺乳動物の培養細胞を用いた遺伝子突然変異の検出と抑制に関する研究」が評価され、学会賞を受賞している。今回計らずもこの2つの合同大会で両 学会の学会賞受賞者となった。

なお、本年10月には、これまでの緑茶カテキンの効用をまとめた一般向けの英語の単行本 “Health Effects of Tea and Its Catechins” が、アメリカの Kluwer Academic/Plenum Publishers 社より刊行された。
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《黒田名誉教授の現在に至る経歴》
1950年(昭和25年)京都大学理学部動物学科卒、同年大阪大学助手を経て理学部講師。助教授など 16年間、この間1961~1962年 NIH International Postdoctoral Research Fellow としてアメリカのシカゴ大学に留学、ついで1966年(昭和41年)国立遺伝研に転任、形質遺伝部室長、部長、教授など24年、さらに遺伝研定年退官後、 神奈川県相模原市の麻布大学教授、生物科学総合研究所長など7年間務め、1997年(平成9年)に定年退職後は麻布大学および静岡県立大学客員教授として 現在にいたる。

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