2003/12/01

荒木弘之教授 井上学術賞を受賞

財団法人 井上科学振興財団
微生物遺伝研究部門 荒木研究室
 国立遺伝学研究所の荒木弘之教授が、2003年度の井上学術賞を受賞した。 井上学術賞は、財団法人井上科学振興財団が、自然科学の基礎的研究分野で、特に優れた業績を挙げた50歳未満の研究者を表彰するもので、今年は荒木教授のほか3人が受賞した。 対象となった業績は、真核生物染色体DNAの複製機構と細胞周期による制御に関する研究。細胞が分裂して増殖するためには、遺伝情報を担う染色体DNAが 細胞周期のS期に正確に複製(倍化)し、娘細胞に分配されていくことが必要である。染色体DNAの複製は、複数の決まった領域から、S期に一度だけ開始す るように厳密に制御されている。荒木教授は出芽酵母(パン酵母)をモデルとして、遺伝学的手法により複製開始に関わる多数の因子を見つけ、それらの機能を 解析した。その結果、複製開始に関わる因子のほぼ全容とともに、S期に複製を開始させる機構の一端を明らかにした。 受賞に対し荒木教授は、「これまでの研究を認めていただき、感謝しています。また、研究を一人で行ってきたわけではありませんから、一緒に研究を進めてきた人たちに心から感謝しています。」とコメントした。 今後は、複製開始に関わる因子を主に生化学的手法により解析し、複製開始の分子機構を明らかにしたいと言う。 国立遺伝学研究所では、石浜明名誉教授についで2人目。

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