生体高分子研究室 前島研究室 佐々木 飛鳥 さん

佐々木 飛鳥
研究内容は?
前島先生が発明した、テロメアに結合する「ピロール・イミダゾール・ポリアミド」という化合物を用いてテロメアの研究しています。現在、テロメアを認識する方法にFISHというのがありますが、それは90度の熱をかけないといけないので、クロマチンというDNAとタンパク質の複合体が壊れてしまいます。このピロール・イミダゾール・ポリアミドは溶液を細胞にかけるだけなので、FISHよりも迅速、簡便にかつクロマチン構造を維持できるような条件でテロメアを観察できます。現在は細胞のみでなく、組織の中のテロメアの状態を調べたいと思っています。
そのテーマに決めた理由は?
体験入学でこの化合物を使った実験を10日間やって、うまくいかないことばっかりだったんです。それで4月に研究室に入った時に、「リベンジする?」って言われたので、やってみたいと思いました。
遺伝研を知ったきっかけは?
大学2年の春休みに前島先生が大学に講義に来られて、遺伝研と総研大の存在を知りました。そのときの先生の授業が面白かったんです。2日間あったんですけど、一回も寝ませんでした(笑)。すごい当てまくる先生で、前の方に座ってたからよく当てられてました。教科書に載っている規則的な30 nm クロマチン構造はない、という内容の講義でした。難しかったんですが、わかりやすくて「教科書が覆されてる!」と感動した記憶があります。
遺伝研を選んだ理由は?
自分の大学の院には行かないと決めていたので、遺伝研の一般公開に友達と来て、詳しい話をいろいろ聞きました。その後、ちょくちょくホームページを見てたら「体験入学」を見つけて、なんだこれは!って。それで先生にメールをして、前島研で夏休みに体験入学させていただきました。
その次の年の説明会バスツアーにも参加しました。結構来ていますね。こんなに通わなくてもいいと思いますけど(笑)。
他に基礎生物研究所や筑波大学も見ました。遺伝研は、一回やめようかなって考えたこともあるんです。でも後ろ髪を引かれる感じで、受けなかったら多分ずっと引きずってるんだろうなって思ったから受験しました。
説明会バスツアーに参加した感想は?
バスツアーは無料なので、ちょっと行ってみようかなという人も来れるので、すごくいいんじゃないかと思います。
現役の大学院生が質問に答えるコーナーがあって、私はたくさん質問をしたんですけど、全部答えてくれて、ありがたいなと思いましたね。そのとき一緒に乗ってたほかの学生と「受けるか迷ってるんだよね」とか話して、同じ気持ちの人もいるんだなぁと安心しました。入試の時にバスツアーに来てた子と再会して、無事二人とも受かりました。今は一緒にカラオケに行ったりします。
前島先生はどんな先生ですか?
厳しいところはありますけど、おもしろい先生です。他の方もそうですが、研究に対して真面目です。教科書の中身を変えることを発見されたのはやっぱりすごいと思っていて、そういう研究ができたらいいなと思います。学生のことも考えてくれていて、ほったらかしにされないのでありがたいです。私は思い込むと頭が固くなっちゃうので、もっと科学的に考えなさいってよく言われます。
後輩へのアドバイスは?
これから受験しようとするみなさんには、研究所だからって怖がらないで、楽しい気持ちで入ってきてくれたらいいなと思います。
研究だけじゃなく、学生同士の交流もあって楽しいですよ。同級生も先輩も楽しい人がいっぱい。大学も個性的な人が多いと思ったんですけど、こっちはもっと個性的。でも研究に対してすごい真面目だから、落ち着きます。周りのモチベーションがすごい高いので、自分も頑張らなきゃって思いますね。みんな博士を取りたいっていう同じ意志を持っているので、悩みも同じで、落ち込んだ時に熱心に相談に乗ってくれます。
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