陸上植物と近縁な接合藻類ヒメミカヅキモのゲノム解読および接合型決定遺伝子の同定に成功

Press Release



Figure1

A divergent RWP-RK transcription factor determines mating type in heterothallic Closterium

Hiroyuki Sekimoto, Ayumi Komiya, Natsumi Tsuyuki, Junko Kawai, Naho Kanda, Ryo Ootsuki, Yutaka Suzuki, Atsushi Toyoda, AsaoFujiyama, Masahiro Kasahara, Jun Abe, Yuki Tsuchikane, Tomoaki Nishiyama

New Phytologist 2022 Dec 19 DOI:10.1111/nph.18662

プレスリリース資料

日本女子大学 化学生命科学科 関本弘之教授,情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 豊田敦特任教授,藤山秋佐夫特命教授,および金沢大学 疾患モデル総合研究センター研究基盤支援施設 西山智明助教らの共同研究チームは,接合藻類のヒメミカヅキモの雌雄にあたる2種の接合型のゲノムを解読して比較することにより,ヒメミカヅキモの接合型を決定する遺伝子を特定しました。

さらに,本グループが確立したヒメミカヅキモのゲノム編集技術を用いて,この遺伝子が接合型を決定する遺伝子の本体であることを示しました。

この遺伝子は,陸上植物の有性生殖に重要な遺伝子から接合型決定遺伝子に進化したと考えられます。また,ヒメミカヅキモは陸上植物と最も近縁な藻類の一つであり,本研究は,陸上植物が祖先的な藻類からどのように進化して陸上に適応したのか,その謎の解明への貢献が期待されます。

本研究は、日本学術振興会 科学研究費助成事業(20017013, 23770277, 24247042, 24370038, 25304012, 26440223, 26650147, 15H05237, 16H02518, 16H04836, 16H06378, 18H06367, 18K19365, 19K06827, 19K22446, 19K22448, 20K21451, 21H02549, 22H05177)の支援を受けて行われました。また、文部科学省 科学研究費新学術領域研究 ゲノム支援(221S0002)、同 先進ゲノム支援(16H06279 PAGS)の支援を受けて実施されました。さらに、国立遺伝学研究所のスーパーコンピューターシステムサービス、基礎生物学研究所の生物情報解析システムを利用して、研究が行われました。

本研究の成果は、英国の科学雑誌「New Phytologist」に12月20日(日本時間)にオンライン掲載されました。

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図: ヒメミカヅキモの性決定機構
−型細胞では、−型特異的遺伝子であるCpMinus1の発現により、CpMinus1タンパク質(図中のM1)が産生されると、−型への分化に必要な遺伝子群(図中の−型分化遺伝子群)の発現が誘導される。誘導される遺伝子の中には、+型への分化に必要な遺伝子群(図中の+型分化遺伝子群)を抑制するタンパク質(図中のX)をコードしているものが含まれると考えられ、Xの影響により、+型への分化が抑制される。+型細胞では、CpMinus1が存在しないため、−型分化遺伝子群が発現せず、 +型分化遺伝子群の発現も抑制されない。AAAで示したものは、遺伝子から転写されたmRNAを示す。


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