2013/01/09

細胞遺伝研究部門の小林武彦教授が第29回井上学術賞を受賞

細胞遺伝研究部門 小林武彦教授 細胞遺伝研究部門の小林武彦教授が第29回井上学術賞を受賞しました。

本賞は自然科学の基礎的研究で特に顕著な業績を挙げた50歳未満の研究者に対して与えられる賞です。過去に当研究所の石浜明元教授、堀田凱樹元所長、荒木弘之教授、2007年にはiPS細胞の山中伸弥教授が受賞しています。

受賞題目
遺伝子増幅の分子機構の全容解明と癌化や老化との関係性の発見

小林教授は、高度に反復したリボソームRNA遺伝子(rDNA)が如何にコピー数を安定に維持しているのか、単離した多数の変異株を用いて詳細に解 析し、rDNA遺伝子増幅の分子機構の全容を解明しました。またリボソームRNA遺伝子の安定性やコピー数の変化が、細胞の老化速度や発ガン物質に対する 感受性に影響を与えることを発見し「細胞老化のrDNA 仮説」を提唱するに至っています。

遺伝子のコピー数の変化は一卵性双生児間でも多数起こっていることが近年のゲノム解析から明らかになってきています。今後、医学領域においても遺伝子増幅と老化・発ガンとの関係が解明されることが期待され、小林教授の発見はきわめて重要です。
井上科学振興財団

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