形質遺伝研究部門 岩里研究室 中沢 信吾さん
- 研究テーマは何ですか?
- 僕が興味を持っているのは、どうやって脳の神経回路が発達するのか?ということです。お母さんのお腹から出てきたら光や音といった外部の環境にさらされて、いろんな情報が一気に入ってくる。それに合わせて脳の神経回路もバーッと作られるんですよ。そのときにどんなことが起こってるのか、どんなメカニズムがあるのか?それを明らかにしたいなと思ってマウスの体性感覚系をモデルに研究してます。
- 遺伝研を選んだ理由は?
- 大学2年の講義で神経変性疾患の話を聞いて、神経系に興味を持ったんです。それでいろんな本を読んでいくうちに回路の形成がどのように制御されてるのか真面目に研究したいなと思うようになって。自分でもいろんな大学院の説明会やラボ見学に行ったり、先輩に話を聞いたりしました。
実は、遺伝研の大学院説明会や体験入学などは一切参加してないんです。大学で所属していた研究室の先生に、こういう研究がしたいんですって話をしたら岩里先生を紹介いただきました。メールして、見学させていただいて、やりたいこととバッチリだったのでここに来よう!と。それが4年生の5月末~6月頭です。
- 入試はどうでしたか?
- 大学院受験はすると思っていたので、一般的な勉強自体はしていました。ここの入試は特別な感じなので何勉強したらいいんやろ?とか悩みましたけど。でも知識じゃなくて考え方を問う問題、結構好きなんです。気づいたら3時間終わってたという感じ。
でも、その後の面接はめちゃめちゃ緊張しました。終わった後で「何であそこ答えられんかったんやろう?」と反省しました。卒論の話は結構聞かれましたね。
- 研究生活はいかがですか?
- 一人の時間って全然無くなりました。マウスを使っているので日曜にも実験を入れたりするんですよね。ほぼ実験か家で寝てるかの生活です。でもラボの人たちにはすごくよく面倒見てもらってます。
研究費の使い方も「こういうことがやりたい」ときちんと言えば、たいがいは許可してもらえます。自分で考えた上で質問すれば研究者の人たちは間違いなく答えてくれますし、岩里先生も学生のために時間をきちんと取ってくださいます。
自分で考えてどんどんやって行けるような人やったら、普通の大学院よりも絶対いいと思います。すごいサポートしてもらえる。逆に指示されないと何もできない人はしんどいと思います。
- 後輩へのアドバイスは?
- やりたいことよりラボの雰囲気で選んだ方がいいかもしれないです。長い時間ラボに居ることになりますから、雰囲気が合わないとキツいと思いますよ。
- 三島の暮らしはいかがですか?
- 三島、大好きです!田舎や田舎や言う人が多いですけど、僕の実家に比べたら大都会です。大学は都内だったのですが、通学ラッシュが無くなっただけでストレス全然違いますね。
それに個人経営のおいしい飲食店が多いですよ。よく広小路駅の周辺を徘徊してます。沼津の地ビールがめちゃくちゃ好きで、ビール好きならそれだけで来ても損じゃないよ!と(笑)。昼はいつも所内の食堂へ行きます。僕らの健康を考えた上でメニューを組んでくださってるみたいです。
- 将来の夢は?
- これから研究をやっていこうと思ったら、世界中に研究者以外にも自分の研究を発信する力って必要になってくる。研究室にこもって実験してるだけではたぶんダメなんじゃないかと思うんです。サイエンスコミュニケーターみたいな世の中と科学者をつなぐ立場にもなれる研究者にぼんやりと憧れています。
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