多細胞構築研究部門 澤研究室 吉田 直樹さん

吉田 直樹
研究内容は?
線虫を使って、細胞の非対称分裂に関わる「Wntシグナル」を研究しています。Wntというタンパク質が細胞にはたらきかけると、細胞の片側に特定のタンパク質が集まって、その結果、非対称な細胞分裂が起こります。これはどういうシグナル伝達経路によってコントロールされているのか?特定のタンパク質をはたらかなくする「RNAiスクリーニング」という手法を使って見つかった、シグナルに関わりそうな候補タンパク質の機能解析を行っています。
研究の面白さは?
タンパク質にGFPとかをつけると、細胞の中でタンパク質が局在するのがきれいに見えるんです。線虫の場合は、生きたまま観察できるのも利点。自分の予想した通りのものが見られたら「考えたことがあってた!」という喜びがあり、予想違いなら「なぜ違うんだろう?」とさらに考えます。それが面白いところです。
遺伝研を知ったきっかけは?
修士課程のとき、所属ラボのポスドクに聞いて。当時はin vitroで研究していたんですが、in vivoがやりたいと思っていて相談したら「遺伝研で体験入学やってるからとりあえず行ってみたら?」と。それで10日間、小出先生のラボで体験入学しました。助教の人がつきっきりでいろいろ教えてくれました。すごく良かったです。体験入学のときにポスター発表があり、そこで澤研究室を知りました。その後いろいろ考えましたが、やっぱり研究内容に惹かれて澤研究室に決めました。体験入学の時、「研究テーマを大きく変えるタイミングはあまりないよ」という話を聞いていたので、若いうちに違うことに挑戦するのもいいと思ったんです。
入試はどうでしたか?
試験はただひたすら自分の考えをしゃべる。正しい回答があるわけではなく自分の考えが試されるので、対策のしようがないです。「三島で採れた藻の形が変化していました。あなたはなぜこうなったと思うか書きなさい」みたいな問題でした。面接で先生たちから突っ込まれるので、自分なりの考えをどんどん話してガードして!
学生生活はいかがですか?
ラボは和気あいあいで楽しいです。よく飲み会に誘ってもらったり。僕はサッカー部に入ってるんです。教員も10人くらいいます。そこでは「先生じゃなく、○○さんでいいよ」ということで、気さくに話せます。サッカー部に入ったおかげで、自分のラボ以外の先生からもアドバイスをもらえたり、関係が広がって良かったです。
三島を目指す後輩へのアドバイスは?
「スターバックスがないと生きていけない子は三島には来るな」と言った人がいるとかいないとか(笑)。研究所の周りには遊ぶところはないです。僕は北海道から来たので、冬でも自転車に乗れるとか、試薬を注文したらすぐ届くのがうれしいです。
遺伝研のいいところは?
学生が少ないと遊ぶ回数が減るので、ここは研究に集中できます。まわりにいる人はみんな研究者なので的確なアドバイスがもらえます。自分を成長させるにはいいです。僕のいた大学院と違い、農学、進化学、工学などいろんな分野の人がいて視野が広がります。
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