発生工学研究室 相賀研究室 島田 龍輝 さん
- 相賀研ではどのような研究をしていますか?
- 生物の発生の原点ともいえる生殖細胞の発生について研究をしています。マウスなどの脊椎動物の発生は、精子と卵という性特異的に分化した細胞が受精することによって始まります。
しかし生殖細胞自体は周囲の細胞がオスかメスかを認識して自らの性を決定します。次世代を残すために必須である性特異的な生殖細胞の分化機構に興味を持って研究をしています。
- なぜその研究をやろうと思ったのですか?
- 遺伝情報を次世代へと伝え、種の存続を図っている生物にとって、生殖細胞はそれを達成する役割を持つ唯一の細胞であり、非常に重要です。
しかし生殖細胞は周囲の環境に依存して性を決定している。初めはその柔軟性に驚きました。
生殖細胞の性決定機構を明らかにすることで、最終的には生殖細胞における「性の意味」なんてものがよく理解できればいいなと思っています。
- 遺伝研を知ったきっかけは?
- 遺伝研自体は知っていましたが、学生も受け入れていると知ったのは現在の研究室を見つけてからです。
学生を募集しているということで調べたところ、総研大生として遺伝研で研究できる制度を知りました。
- どうして遺伝研を選んだのですか?
- 研究者の養成に特化した指導を行ってくれるところが魅力的でした。学生よりも研究者の方が多いですから、研究者とは何かを身をもって学ぶことができます。
セミナーなども多く様々な分野に触れることで自分の将来のテーマを考えるいい機会にもなります。興味のある研究室があり、研究者として成長することができる環境が整っていることが遺伝研を選んだ理由です。
- 学生生活はどうですか?
- 研究が進まなければもちろん辛いですが、他の研究者と様々な事柄について議論できるので非常に楽しく充実しています。
学生の多くが将来研究者として仕事をすることを目指しているので、不安などを共有しながら話すことができ、気分が楽になることも多いです。
- 遺伝研の教育で役立ったことはなんですか?
- 英語による科学プレゼンテーションの授業はとてもためになりました。自分の伝えたいことを効果的に伝える為の技術を知ることができるので、英語以外のプレゼンテーションもわかりやすくなっていきます。
ありがたいことに、遺伝研以外の先生方から「さすが遺伝研」とお褒めいただくこともあります。プレッシャーも大きいですが、遺伝研にいれば、プレゼンテーションの能力は伸びると思います。
遺伝研では研究発表やセミナーが英語でおこなわれていますので、自分の英語能力に自信がなくても、英語ができなければ何も理解できないので、英語で研究発表やセミナーをやっているうちに、自然に議論できる程度には到達すると思います。
- 後輩へのアドバイスは?
- 周囲には研究者ばかりの為、研究に没頭するにはとてもいい環境だと思います。
ただ特殊な環境だけにデメリットもあるので、熟考してそれでも魅力的に映るなら、とても充実して濃密な期間を過ごせるでしょう。
- 入試の思い出は?
- 自分の考えを説明すればいいので、比較的楽しかったような思い出があります。
特に筆記は面接の材料になる程度の認識で臨んだため、多少変でも面接で挽回できると考えることができたので気負うことはなかったです。
ただ、面接は練習をして、分かりにくい点や面白くない点などを指摘してもらうことを繰り返さなければ絶対に受からなかったと思います。
独りよがりのプレゼンテーションでは絶対に理解してもらえないので・・・。
プレゼンテーション後は先生方と会話をするだけなので、今思えばいい時間だったと思います。
- キャリアパスが多様化していますが、学位を取得したらどのような道へ進みたいですか?
- 最近は研究活動だけでなく教育にも興味を持つようになりました。希望としては、学生の教育をしながら研究をおこなえる大学で職を得たいですね。
研究職を目指す人だけでなく、一般企業に就職するような人にも研究の面白さや重要性を伝えることで、日本の研究がより活発になる一助になることができたら最高ですね。
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