神部 飛雄

北野研究室・生態遺伝学研究室

神部 飛雄(かんべ ひゆう)

総合研究大学院大学・遺伝学専攻5年一貫制博士課程2年次(D2)

北野研究室 生態遺伝学研究室

遺伝研を知ったきっかけは?

2019年5月に米国科学雑誌「Science」に掲載された、石川麻乃助教(現職:東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授)、北野潤教授の論文を読んで深く感銘を受け、所属を調べて、遺伝研を知りました。実は、私は遺伝研のある三島市の隣にある沼津市出身なのですが、遺伝研が大学院生を募集していることを知らなくて…。そこから遺伝研HPで大学院に関する情報を調べて、興味をもちました。

どうして遺伝研を選んだのですか?

論文を読んで、「この研究室で研究をしたい!」と思い、論文を読んだ後すぐに北野先生にメールでアプローチしました。そこで7月上旬に1日研究室訪問をさせていただき、北野研の研究により興味を持ちました。そこから8月に日本進化学会での北野研の方々の講演を聞き、10月には1週間弱の体験入学をしました。そこで北野研で研究していくイメージが湧き、ここに進学しようと決めました。学生支援制度がきちんと整備されていたのと、実家から通える距離だったのも決め手となった理由です。

入試の思い出は?

他の大学の試験とは形式が大きく異なるので、過去問を多く解いて慣れていく必要がありました。また、所属していた研究室の教授や同期、後輩にも解いてもらったり、ディスカッションしたりして、積極的に自分以外の方にも意見を聞くようにしていました。当日の筆記試験は手応えがなく、不安しかなかったです。試験期間中は、遺伝研で宿泊が可能なので、筆記試験を受けた学生はお互いに意見交換をするという話を伺っていたのですが、僕は実家が近いので宿舎には泊まらず、自分の回答を次の日の面接試験でどう挽回するか、家に帰って1人で考えていました。不安だらけで挑んだ面接試験でしたが、和やかな雰囲気で行われ、比較的リラックスして受け答えできたかなと思います。

北野研ではどのような研究をしていますか?

北野研では主に、魚類における淡水適応能を規定する遺伝因子を探索しています。魚は、海から川や湖などの淡水域へ何度も進出しながら、様々な形態や性質をもつ種に進化していきました。海と淡水域は、栄養分や水質に大きな違いがあるため、一部の魚は淡水域に何度も進出する一方で、全く淡水域に進出できない魚も多くいます。しかし、その違いは何なのか、まだまだ未解明な部分が多いです。私の研究では、海水と淡水の水質の違いに着目し、進化生物学のモデル生物であるトゲウオを用いて、淡水適応能の違いを規定する遺伝子の解明を目指しています。実際に日本全国のトゲウオ生息地の水質を測定・比較したり、野外環境をラボで再現して飼育実験をしたりしています。

なぜその研究をやろうと思ったのですか?

僕が遺伝研に入るきっかけとなったScienceの論文もそうなのですが、海水魚と淡水魚では何が違うのか、という素朴かつ大きな疑問に挑戦する北野研の研究に憧れを抱いていました。もともと中学生の頃から水族館に行って魚を見るのが大好きで、大学でも海洋や水生生物について学んできました。大学院生になっても魚類の研究を続け、1人の研究者として魚類の生態の面白さや多様さを世界に発信できたらと思っています。今の自分の研究は、水族館や養殖業を含めた、魚類の飼育管理に携わる業界に広く影響を与える可能性も秘めているので、挑戦的な内容ではありますが、楽しく研究しています。

休日はどのように過ごされていますか?

実家暮らしなので、地元の友達もいて、一緒にサッカーをして遊んだりしています。コロナ禍なので、家で趣味のギターを弾いたり、リモート飲み会をしたりして、のんびり過ごす事が多いです。

後輩へのアドバイスは?

気になった研究室があったら、実際に調べて、先生にメール等でアプローチしてみるといいと思います。現在はコロナ禍ですので、遺伝研への訪問は難しいかもしれませんが、オンラインで一日体験会公開講演会に参加することができます。遺伝研の学生との座談会もあり、学生目線の声も聞けるのでおすすめです。私は今、生態遺伝学研究室で魚類の進化について研究していますが、学部生の頃は進化生物学や遺伝学に関する知識がほとんどなく、遺伝研への進学を検討し始めた学部4年生の頃から勉強し始めました。今でもまだまだ勉強不足ですが、遺伝研はそういった学生も快く受け入れ、教育してくれます。これまで学んだことがない、挑戦したことがない分野でも、それを「面白い・探究したい」と思ったら、ぜひ進学を検討してみてください。入試については、筆記試験の過去入試問題がサイトにアップされているので、それをじっくり解くといいと思います。自分だけではなく、所属している研究室・研究所の先生や学生、友達に相談して、多角的に見ることが鍵です。自分では論理が通っていると思うところも、他の人からするとそうではないこともあるので、自分だけで完結するのは避けた方がいいのかなと思います。面接試験では、これまでの自分の研究について話す時間があるので、簡潔に自分の研究の面白さを伝えることが大切です。今やっている勉強や研究に自信を持って、思いっきり楽しむといいと思います。

  • 2021年8月時点