佐藤 か奈

佐藤 か奈(さとう かな)

総合研究大学院大学・遺伝学専攻5年一貫制博士課程1年次(D1)

前島研究室 ゲノムダイナミクス研究室

遺伝研を知ったきっかけは?

大学の講義以外の研究の話を聞いてみたいという思いがあり、セミナーやシンポジウムの情報を検索していた時期がありました。この過程で、どこかの学会のHPに載っていた大学院生募集のポスターを見つけたのが遺伝研を知ったきっかけです。大学院は学部までとは別のところに行ってみたいと思っていたので、興味をもちました。

どうして遺伝研を選んだのですか?

初めて遺伝研を訪れたのは学部3年生の5月に開催された大学院一日体験会でした。当時は何も知りませんでしたが、土曜日で交通費も出るということでとりあえず行ってみました。その後、9月頃に1週間弱の体験入学をしました。11月に東京であった公開講演会にも行きました。遺伝研の他にもいくつか研究室を訪問したのですが、決め手は「そこにいる自分をイメージできた」ことと東京からの距離かなあと思います。そんなに深くは考えていませんでした。

入試の思い出は?

初日に3時間程度筆記試験を受けて、一晩考える時間がありました。自信がないところを教科書やネットで調べていましたが、今考えればほとんど意味がなかったです。翌日の面接は最初5分で卒業研究の内容を発表して、そのあと発表に関する質疑、筆記試験の解答に対する質疑、提出書類に関する質疑と続きました。筆記試験に関する質疑は自分で筋が通っていると思っていたところは全く質問されず、自信がないところやとりあえず書いてみたようなところだけつっこまれた気がします。ゲストハウスで捻り出したことを言ってみたりしたものの、あまり答えになっていなかったのではないかなと思います。一晩あってもわからないものはわかりません。面接は先生方がたくさんいらっしゃって緊張しましたが、論理の甘さをつついて落としてやろうなどという雰囲気ではなく、なごやかだった、と思います。

前島研ではどのような研究をしていますか?

前島研では主に細胞株の中で全長が2mにもおよぶヒトゲノムDNAがどう折り畳まれているのかを調べています。私が注目しているのはリンカーヒストンH1というタンパク質です。H1は試験管内においては、クリップのようにはたらきDNAを小さく折りたたむ活性があることがわかっているからです。しかし、生きた細胞における振る舞いはあまり明らかになっていませんでした。わたしはゲノム編集技術を使ってゲノムH1にタグをつけた細胞株を作成し、この細胞株を斜光照明顕微鏡で観察することで、H1の振る舞いを生きたままの細胞で観察する「一分子H1イメージング」を行っています。

大学の研究室と比べて違いはありますか?/どんなところが違いますか?

遺伝研という組織の中で、学生Aではなく個人としてみられていることかなあと思います(あくまでも想像ですが)。初めましてのつもりでお話しをしたら、実は入試のときいたんだよね、と返されたことが何度かありました。入試の面接で一人当たり30分もかけるシステムは、組織全体で学生の研究生活を見守ろうという姿勢の現れなのかなと思っています。

学生生活はどうですか?

日常的に英語に触れる機会がとにかく多いです。5学年で30人ほどしかいない学生のうち半数は留学生です。また研究室での進捗発表会や論文紹介も英語で行われています。最近は新型コロナの影響でみんなで集まることが難しいですが、私の研究室の同期の発案で定期的にZoom会をするようになりました。英語を話す・聞く訓練はほとんどしてこなかったし機会もなかったのですが、最近は両方とも向上している、気がします。

三島の暮らしはいかがですか?/三島のおすすめスポットはありますか?

三島での暮らし自体には満足しています。遺伝研が駅から遠いことと坂の上にあることだけは少々不便です。私は歩くことが苦にならないので、どこへでも歩いていきます。おすすめスポットについては、月並みですが、柿田川公園の湧水の美しさに心を惹かれました。また、なんでもない側溝のようなところを流れる水がとてもきれいで素敵な街だなあと思っています。

1日のスケジュールを教えてください。

日によりますがピペットマンを使うような分子生物学実験、細胞培養、顕微鏡観察などが主です。実験以外では画像やデータの解析、情報収集などをしています。敷地内にある宿舎に住んでいるので、昼食と夕食は帰って食べています。

休日はどのように過ごされていますか?

遺伝研に来て最初に遊びに行ったのは富士サファリパークでした。三島は箱根や熱海、伊豆といった観光地へのアクセスが非常にいいところです。また私はハイキングや山登りが好きなので、三島発であるメリットを生かして日帰りでいろいろな山にも行っています。コロナ禍になってからはZoomで東京の友達と喋ることも増えました。

後輩へのアドバイスは?

どんなに丁寧に調べても、「入ってみないとわからない」側面を拭うことはできないので、色々と悩んでしまうこともあると思います。どうせわからないのだから、「研究やその他の話を実地で聞けるよい機会だ」くらいに捉えて、色々な研究室を見物してまわればよいのではないかと思います。遺伝研は一癖も二癖もある面白いところです。コロナ禍でも工夫して説明会等されています。研究に没頭したいひと、研究に没頭するとはどういうことか興味があるひと、ぜひのぞきに来てほしいです。

  • 2021年3月時点