遺伝研のさくら

なぜ遺伝研に桜があるの?

竹中 要 博士

遺伝研の桜は、1950年頃植物遺伝学者の竹中要博士が、研究と品種保存を目的に桜を収集・植樹したことに由来します。 博士の10年以上にわたる研究の結果、ソメイヨシノの起源が明らかになりました。当時の遺伝学は主に交配と観察によって行われていたため長い年月が必要だったのです。
この結論は、コンピューターを使用したゲノム分析技術によって遺伝子レベルでも正しいことが証明されています。 遺伝研には現在桜の研究者はいませんが、研究者の情熱が遺伝研の桜となって、私たちを楽しませてくれています。

ご存知ですか?ソメイヨシノが一斉に咲く理由

ソメイヨシノは、挿し木や接ぎ木でしか増やせないため、どの木も遺伝的に同じ性質を持ったクローンとなります。そのため、気象条件が同じ地域では、一斉に開花するのです。
ソメイヨシノが挿し木や接ぎ木でしか増やせないのは自家不和合性があるためです。 自家不和合性とは、S遺伝子型がオス(花粉)とメス(雌しべ)で全く同じ組み合わせの場合、受粉しても受精に至らず、種子が実らない現象です。 クローン同士だとS遺伝子も全く同じなので、ソメイヨシノの種子は得られない、すなわち実生でソメイヨシノを育てることはできません。

写真付き解説書「遺伝研のさくら」(全面改訂版)

写真付き解説書「遺伝研のさくら」(全面改訂版)

当日は写真付き解説書「遺伝研のさくら」(全面改定版) 財団法人 遺伝学普及会/編 を頒布致します。

遺伝研構内に生育している桜樹木について、正門からの位置の順番に、写真と説明文を掲載しています。 また、それぞれの樹木には新たに位置番号を付けましたので、開花時には、この冊子をその番号に照らし合わせて遺伝研の桜を観賞することができます。

財団法人 遺伝学普及会

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