細胞建築研究室(PI: 木村暁) ポスドク募集

国立遺伝学研究所 細胞建築研究室(PI: 木村暁)では、 線虫C. elegansの初期胚を主な材料に、細胞核内のクロマチンの動態を可視化・定量化するとともに、核内の粘弾性など物理学的パラメータの測定・推定を行う研究員を募集します。これらの定量化を通じて、核サイズ等の物理的要因が遺伝子制御を行う可能性とそのメカニズムを明らかにすることを期待しています。
当該研究員は科研費新学術領域「遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル」の計画研究課題「物理計測と理論モデル構築によるクロマチンポテンシャルの理解」に従事していただくポストです。本研究課題の研究分担者である青山学院大学の坂上貴洋博士(主に理論モデル構築を担当)と連携して進めます。

※坂上研究室でも本研究課題に従事する理論系研究者を博士研究員として募集しています。詳しくは、坂上博士 に問い合わせください:
 
【応募資格】 博士の学位を取得した方、又は着任までに博士の学位取得が確実な方。
1.上記の研究テーマに意欲的に取り組める方。
2.分子生物学実験の経験がある方。線虫や顕微鏡を使った研究経験がある方が望ましい(必須ではない)。
【待遇】 勤務地は、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)。
年度契約で審査の上更新(最長2023年3月まで)。
給与などは情報・システム研究機構の規程に準じます。
参考:裁量労働制。年俸額410万円~(税込み)。通勤手当(条件付)。文部科学省共済・労災保険・雇用保険適用)。
【応募締切と着任時期】 適任者(募集1名)が現れ次第締め切り。着任時期は2019年4月1日頃(相談に応じます)。
【選考方法】 書類選考の上、面接実施。
【提出書類】 1)履歴書 2)業績目録 3)これまでの研究内容の要旨 4)志望動機と今後の抱負 5)応募者の研究能力についてよく知る研究者(1名以上)の連絡先
(1、2については様式任意、3、4についてはA4で各2枚程度。下記問い合わせ先にPDFファイルを電子メール添付で提出してください。)

【問い合わせ先】
   木村 暁
   国立遺伝学研究所 細胞建築研究室
   〒411-8540静岡県三島市谷田1111   TEL:055-981-5854
   Email akkimura@nig.ac.jp


【研究内容補足説明】
主に、以下の3つのラインの研究を推進することを期待しています。
(1)線虫C. elegans初期胚における遺伝子座動態の可視化と定量化
当研究室ではこれまでに線虫C. elegans初期胚における遺伝子座動態を可視化・定量化し、初期胚発生の進行に伴い、遺伝子座の動きが劇的に低下することを明らかにしてきました[1]。本募集で採用する研究員には、この研究を発展させ、以下の研究を推進することを期待します。
 (A) 任意の遺伝子座を可視化する方法論の確立
 (B) 可視化した遺伝子座の動態の定量化(*1)
 (C) 遺伝子機能阻害、および阻害薬剤などの処理(*2)条件下での遺伝子座動態の定量化
(2)生細胞核内での物理パラメータ等の計測・推定方法の確立と定量化
遺伝子座の動きを担う原動力や核内の物性を定量化する研究を推進することを期待します。磁気ピンセット技術などを適用しこれらのパラメータを直接測定するアプローチに加え、顕微鏡観察からパラメータを推定するアプローチなどを期待します。さらに、遺伝子座の動きが遺伝子制御に及ぼす機能的意義を明らかにするために、生細胞内での転写活性を可視化する研究にも取り組むことを期待します。
パラメータの測定や推定、転写活性の可視化方法の確立においては、遺伝学研究所や統計数理研究所、当該新学術領域内の専門家に協力を得ることができます。
(3)理論モデルの実験的検証
本研究課題では、遺伝子座の動きを説明する力学的モデルの構築や、遺伝子座の動きが転写など遺伝子制御に及ぼす影響を説明・予測する理論モデルの構築を、坂上博士(本研究課題研究分担者、青山学院大)と連携して進めます。本募集で採用する研究員には、モデル構築に必要な実験データの取得(主に上記(1), (2))や、モデルから予測される現象の実験的検証を担うことを期待します。
*1: 生細胞の核内の染色体座を3次元的に長時間追跡するために、当研究室では2光子励起スピニングディスク共焦点顕微鏡を2018年度中に導入します。
*2: 時期・細胞特異的な注入には、当研究室で確立したマイクロインジェクション法の活用を考えています[2]。
【参考文献】
[1] Arai R, Sugawara T, Sato Y, Minakuchi Y, Toyoda A, Nabeshima K, Kimura H, *Kimura A. Reduction in chromosome mobility accompanies nuclear organization during early embryogenesis in Caenorhabditis elegans. Scientific Reports 7, 3631 (2017).
[2] Kikuchi Y., *Kimura A. Microinjection into the Caenorhabditis elegans embryo using an uncoated glass needle enables cell lineage visualization and reveals cell-non-autonomous adhesion control. bioRxiv 10.1101/406991 (September 3, 2018)
【参考URL】
科研費新学術領域「遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル」HP: http://www.nibb.ac.jp/potentia/
国立遺伝学研究所 細胞建築研究室HP: https://www.nig.ac.jp/labs/CelArchi/home_jp.html

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