資料提供者 ?森脇 五郎(国立遺伝学研究所名誉所員)からの御寄稿?

フタスジショウジョウバエ(Drosophila bifasciata)の遺伝研究

1950年にNew YorkのColumbia大学遺伝学教室Th. Dobzhansky教授の下に3ヶ月留学して集団遺伝学を学んだ。
その帰途Texas大学に寄り、D. ananassaeを採集する計画をD.教授に話したところ、教授はこれから集団遺伝学的に進化の問題を研究するなら、ananassaeのような人家性のものでなく野生性のショウジョウバエを日本で探すようにと忠告され、できればobscura群のものを見付けることが望ましいと付け加えられた。当時、同群に属するアメリカ大陸産のpseudoobscuraその他についてはD.教授らによって種の分化が克明に研究されていたし)ヨーロッパ産の同種群についてはイタリーのBuzzati-Traverso教授らが扱っているのに)アジアのそれについては未だ調べられていない。それを日本でやってobscura群全体の種の分化をまとめようというのが同教授のねらいだった。
(93)フタスジショウジョウバエを追って. 遺伝29巻10号(1975年10月)
これによって上述につづいて概略が明らかになる。なお、関連する論文としては
(38)本邦に見出されたobscura群猩々蝿 動雑61巻10号(1952年10月)
(41)Daigoro Moriwaki and Osamu Kitagawa. Salivary gland chromosome of Drosophila bifasciata. Cytologia, Vol. 29, No. 3 (1955年10月)
(46)Daigoro Moriwaki and Osamu Kitagawa.
"Sex-Ratio-J"in Drosophila bifasciata. I. A. Preliminary Note. 遺雑32巻7号(1957年7月)
(70)Hiroshi Ikeda. Interspecific transfer of the "Sex-Ratio"agent of Drosophila willstoni in Drosophila bifasciata and Drosophila melanogaster.
Science Vol. 147 (No. 3662) (1965年3月)
(81)H. Ikeda and D. Moriwaki, Genetical analysis of "sex-ratio"in populations of D. bifasciata. Proc. XII I C G Vol. Ⅱ (1968年)
(81')Hiroshi Ikeda
The cytoplasmically inherited "Sex-ratio"condition in natural and experimental populations of Drosophila bifasciata Genetics 65 (1970年6月)

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