遺伝学とは

ゲノムインプリンティング 〜インプリンティングの関与するヒトの先天異常

 胞状奇胎(雄核発生)や卵巣奇形腫(単為発生)以外にもヒトのインプリンティング関連疾患が知られている。Prader-Willi症候群(PWS)とAngelman症候群(AS)はともに精神発達遅滞があり、加えて前者には肥満や筋緊張低下、後者には失調歩行や発作的笑いなどの症状がある。両者とも15q11‐13領域に異常があり、PWSでは父由来欠失または母性ダイソミー、ASでは母由来欠失または父性ダイソミーが認められる。Beckwith-Wiedemann症候群(BWS)は臍ヘルニア、過成長、内臓肥大、腫瘍の合併を特徴とし、11p15.5領域(マウスの第7染色体遠位部に相当)の父性トリソミー、父性ダイソミーなどが認められる。またWilms腫瘍などのがんでもインプリンティングの関与が疑われている。

佐々木裕之:「現代医学の基礎第5巻,生殖と発生」(岩波書店)第9章より引用