生体分子の構造とX線構造解析

蛋白質、核酸などの巨大分子も食塩などの小さな分子と同じように結晶をつくります。図1は、血液の赤い色のもとになっている蛋白質ヘモグロビンの結晶(矢印で示す)を石英キャピラリに詰めたものです。これにX線をあて、後ろにフィルムをおくと図2のような斑点群が記録でき、これを詳細にしらべると、結晶の中の分子の構造がわかります。図3は1958年世界で初めて得られたミオグロビン(ヘモグロビンと良く似た“いとこ”の分子)分子構造の模式図です。X線をつかってこのように蛋白質のような大きい分子の構造を調べることは近年盛んに行われています。遺伝に関係した蛋白質、蛋白質とDNAの複合体などの構造もさかんにしらべられ遺伝の機構の解明に大きく貢献しています。

図1
図1

図2
図2

図3
図3



資料:白木原康雄

DNAの構造

伝情報をのせたDNAの構造もX線のデータをもとに解明されました。DNAの“結晶”にX線をあてると図4のようなX字型のパターンが得られます。これは「生体高分子の構造とX線構造解析」の項の図1と同じ性格のものです。これをもとに、DNAを構成するヌクレオチドの化学結合の情報、塩基の対合の情報を加えて図5のようなDNAの2重らせんのモデルが提出されました。図6はそのモデルを提出したワトソン(左)、クリック(右)の両博士です。このモデルはDNAの複製の機構を示峻するなどその後のDNAを中心とした分子生物学の発展を生み出す原動力となったことは良く知られてます。

図4
図4

図5
図5

図6
図6



資料:白木原康雄

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