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生物を構成する細胞の中には、その生物の生命活動の計画や設計を記録した遺伝子が入っています。この遺伝子はDNAによってできています。
細胞は分裂することでその数を増やしますが、中に入っているDNAも分裂前の細胞と同じものを受け継いでいます。つまり、細胞は、分裂の前に一揃えのDNAをコピーすることで2倍に増やし、分裂の際にそれぞれの新しい細胞へ格納しているのです。このDNAを2倍に増やす作業を”DNAの複製”といいます。
DNAの複製は、DNAを構成する4種類のヌクレオチド(ATP, TTP, GTP, CTP, これらはデオキシリボヌクレオシド三リン酸と呼ばれる物質です。)を重合する(結合して連ねる)ことによって行われます。その重合速度は非常に早く、哺乳類で毎秒約50ヌクレオチド、細菌では毎秒約500ヌクレオチドに達します。
DNAの複製では、多くの酵素が連携しあい、この正確かつ迅速な作業を可能としています。
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