文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」 シリア・中心体系による生体情報フローの制御

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計画研究

計画研究A03

シリア-中心体系に基づく細胞構築の非対称化機構

細胞分裂・細胞分化・細胞移動等の様々な細胞動態において、シリア-中心体系が細胞内情報を集約・ベクトル化し、細胞の非対称化へと導くメカニズムを明らかにする。神経細胞に限らず、種々の細胞における現象を対象とする。生理的なメカニズムに加え、その破綻に伴うヒト疾患との関連にも注目する。

【A03-1】シリア・中心体系による神経幹細胞分裂の非対称化機構

研究代表者
松崎 文雄(研究統括)
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 非対称細胞分裂研究グループ・グループディレクター
専門分野:発生生物学
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連携研究者 下向 敦範(同グループ研究員、発生生物学、顕微鏡観察)
主な研究内容

マウス神経幹細胞は自分自身と神経前駆細胞を生み出す非対称分裂を繰り返すが、中心小体の新旧に伴う中心体の成熟度が娘細胞の分化、未分化と相関することが報告されている。本計画研究では、神経幹細胞の非対称分裂における構造的な非対称性に関するこれまでの研究を基盤に(Nat Cell Biol 2008; J Neurosci 2011)、シリア-中心体系の非対称性が娘細胞の運命の非対称化に寄与するしくみを解析する。
まず、シグナル系を仲介する小胞系の集積が新旧中心体で相異なり、その結果、娘細胞に非対称に分配される可能性を検討する。
また、当グループが開発した霊長類型神経幹細胞が飛躍的に増加するモデルマウス(分裂方向異常変異)を用いて、中心体機能の神経幹細胞への影響を検証する。

【A03-2】神経発生、ネットワーク形成に果たす中心体の役割の解明

研究代表者
広常 真治(研究統括)
大阪市立大学大学院医学研究科・教授
専門分野:脳科学
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主な研究内容

本計画ではまず、神経細胞における中心体の構成因子であるPP4、mNudC及びそのファミリー遺伝子の機能解析を行う。具体的には、中心体構成タンパク質の細胞内での動態や組み換えタンパク質による再構成系を確立し1分子イメージング法で解析する。さらに、神経細胞における中心体の生理的な構造をcryo-EM of vitreous sections (CEMOVIS)で明らかにする。CEMOVISは、細胞を高圧条件下で急速凍結し、細胞内の大きな構造体を生理的な条件で観察できる技術である。
また、中心体で細胞分裂に関わる因子の神経系の形成・再生における新たな役割をノックアウトマウスを中心とした発生学的手法で解明する。