文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」 シリア・中心体系による生体情報フローの制御

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計画研究

計画研究A02

シリア-中心体系による情報フローの制御

多彩な生物学的現象において、細胞外からの様々な物理的・化学的情報がシリア・中心体を介して受容・伝達される機構、及びシリアの運動によって細胞外フローが生じる機構を明らかにする。 さらに、これらの空間的な制御に加え、細胞周期など、経時的な制御におけるシリアの形成・消失の役割を分子レベルで解明する。

【計画研究A02-1】中心体・シリアを介する情報のフローによる体の左右の決定

研究代表者
濱田 博司(研究統括)
大阪大学大学院生命機能研究科・教授
専門分野:発生生物学
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連携研究者 白鳥 秀卓(同・准教授・遺伝子改変マウスの作成)
篠原 恭介(同・助教、細胞外フローの計測及びシリアの超微形態観察)
主な研究内容

体の左右非対称性は、「ノード」と呼ばれる部位に存在するシリアの回転運動が生じる左向きの水流より決定される(Nature 2002)。ノードの細胞は胚の前後に沿った極性を持ち、基底小体が細胞の後側に配置されるため、シリアが後方へ傾くことで、左向きの水流が生じる(Nat. Cell Biol., 2010)。本研究では、ノード細胞のシリアを介する、細胞内及び細胞外への情報フローの伝達機構を研究する。具体的には、以下の点を明らかにする。①ノード細胞へ前後の極性を与えている位置情報の実態は何か? ②基底小体が細胞の後側へ移動する機構、④シリアが水流を感知する機構やシリアを介しての情報伝達機構。さらに、③計画研究A01-1と共同でノード細胞のシリアの構造、回転の仕組み、ノード細胞の基底小体と細胞骨格の相互作用を、⑤計画研究A02-2と共同で、ノード細胞の基底小体やシリアの形成機構を明らかにする。

【計画研究A02-2】中心体・一次シリアと細胞周期

研究代表者
稲垣 昌樹(研究統括)
愛知県がんセンター研究所 発がん制御研究部・部長
専門分野:生化学・細胞生物学
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研究分担者 五島 直樹(産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター・チーム長、分子生物学)
連携研究者 井澤 一郎(愛知県がんセンター研究所 発がん制御研究部・室長、細胞生物学、細胞生物学的解析)
主な研究内容

中心小体に局在するトリコプレインは、円滑な細胞周期進行に寄与していることが見出されている。トリコプレイン、トリコプレイン類縁蛋白質群及び中心体関連蛋白質群の網羅的な解析を通して、細胞周期の中で中心体・一次シリアが果たす役割を解明する。
また、現在作製中のトリコプレイン・ノックアウトマウスから神経幹細胞などを採取し、トリコプレインによる中心体・一次シリア形成制御がこれらの幹細胞の細胞周期にどのような影響を与えているのかを観察する。
さらに、ノード細胞の基底小体・シリアの形成機構と細胞周期との関連について、計画研究A02-1と、基底小体・中心体と細胞骨格・細胞接着との関連解析はA01-1と、それぞれ共同研究を行う。

【計画研究A02-2】中心体・一次シリアと細胞周期に関わる機能プロテオミクス解析

研究分担者
五島 直樹
産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター・チーム長
専門分野:分子生物学
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主な研究内容

ヒトタンパク質発現リソース(HuPEX)を活用した中心体局在タンパク質の同定および機能解析を実施する。インビボ及びインビトロでの蛋白質の発現および複合体形成の解析技術、網羅的な蛋白質の細胞内局在情報の解析技術(Nucleic Acids Res., 2012)をこれまでに開発してきており、トリコプレイン及びその類縁蛋白質群と中心体構成蛋白質群の機能的プロテオミクス研究を行う。
また、本研究領域においてプロテオミクス研究並びにリソースセンターとしての機能を担って、研究の推進をおこなう。