シラバス (Syllabus)

神経科学( Neuroscience )


===== Japanese Version =====

1.授業科目と単位:神経科学
  講義  2単位

2.履修対象者
  D1, D2, D3 :生命科学研究科, 総研大の全研究科

3.授業担当教員:
【科目責任者・講師】
生理科学学専攻 教授 重本 隆一
  E-mail:shigemot@nips.ac.jp
   TEL:0564-59-5278, FAX:0564-59-5275

【講師】
生理科学専攻 教授
  鍋倉 淳一  0564-55-7851 nabekura@nips.ac.jp
  井本 敬二  0564-59-5886 keiji@nips.ac.jp
  永山 國昭  0564-59-5560 nagayama@nips.ac.jp
  岡田 泰伸  0564-55-7731 okada@nips.ac.jp
  伊佐  正   0564-55-7761 tisa@nips.ac.jp
  南部  篤   0564-55-7771 nambu@nips.ac.jp
  箕越 靖彦  0564-55-7745 minokosh@nips.ac.jp
  定藤 規弘  0564-55-7841 sadato@nips.ac.jp

講義に関する質問は、この講義の一環と考えますので歓迎いたします。質問は、その内容により、各講師または科目責任者にe-mail等で尋ねてください。オフィスアワーは設定しておりませんので、講師または科目責任者に会って面談をしたい場合は、本人に直接e-mail等で連絡を取り、日時を相談してください。

4.授業実施期日時間:
 非同期e-learningなので、特に制限はありません。

5.授業実施場所:
(非同期e-learning)
遺伝学専攻 http://www.nig.ac.jp/local/jimu/soken/courses/e_learning/neurosci/index.html
基礎生物学専攻 http://www.nibb.ac.jp/service/e-learning/e-learning3.html
生理科学専攻 http://www.nips.ac.jp/service/daigaku_jyouhou/e_shinkei.html
生命科学研究科以外の専攻 http://www.soken.ac.jp/e-learning/e-learning.html

6.履修条件、受講方法:
日本語の授業です。受講方法は、以下の通りです。

■生命科学研究科の3専攻
講議ビデオ:上記5.のURLから講義ビデオのファイルをダウンロードしてください。各専攻の大学院担当事務からCDを借りることもできます。著作権等の問題のため、総研大や基盤機関のメンバー以外にコピーを渡すことは避けてください。Windows(95以上、メモリ128MB以上)またはMacintosh(OS9以上、メモリ256MB以上)とRealPlayerが必要です。

■生命科学研究科以外の専攻
受講するためには、上記のURLにアクセスし、Netcommonsにログインし、受講科目を選択します。ログインの際に必要となるID・パスワードは履修届を提出していただいてから約1週間以内に発行します。サーバへのアクセスは、葉山ならびに各基盤機関からのアクセスに限定されています。アクセス不可能な方にはCDの貸出も行っており、葉山の教務係からCDを借りることができます。CDの貸出希望の学生は、メール・FAXで連絡してください。 Netcommons、CDのいずれを利用する場合も、Windows(95以上、メモリ128MB以上)またはMacintosh(OS9以上、メモリ 256MB以上) とRealPlayerが必要です。

7.授業内容の概要:
神経科学の方法・基礎知識・概念・最近の研究動向について解説します。内容は神経科学の広い領域に及んでいますが、そのごく一部を扱っているに過ぎないので、これをきっかけに各人が英語教科書や原論文にあたり、学習を深めることが期待されます。

8.授業の達成目標:
神経科学の基礎を習得し、基本的な課題について、原論文や総説を探して読み、正しく理解し、レポートにまとめることができるようになることが目標です。

9.授業計画:
以下の 9つの講義(1つ約1時間、日本語)がCDとして用意されています。
聴講したい学生は、これらを閲覧して、講義を受講してください。
1.脳神経系の細胞構築と神経回路重本 隆一
2.神経の興奮性とシナプス伝達およびその可塑性と発達鍋倉 淳一
3.イオンチャネル井本 敬二
4.生理機能の分子生物物理永山 國昭
5.細胞の生死と容積恒常性の調節岡田 泰伸
6.脳の感覚認知機構伊佐 正
7.随意運動の脳内メカニズム 大脳皮質運動野と大脳基底核   南部 篤
8.視床下部と生体恒常性維持機構 箕越 靖彦
9.画像による人間の高次脳機能へのアプローチ定藤 規弘

10.使用参考書、参考文献:
講義を受講し補助資料を読んだ上でさらに参考書が必要と考える場合は、各講師または科目責任者 に相談してください。

11.単位修得要件と成績評価基準:
単位の修得の要件は、講義ビデオの聴講とレポートの提出です。レポート課題を提出した担当講師がレポートを読み、担当授業の達成目標に到達しているかを判断します。その判断に基づき科目責任者が合格または不合格の成績をつけます。レポート提出者には、担当講師からレポートの講評が送られます。(レポート提出に関する詳細は、下記の「レポートの課題、締切り、提出方法」を参照のこと)
生命科学研究科以外の学生で、この講議が当該専攻の単位として認定されるかどうかがわからない場合は、当該専攻の大学院担当事務に問い合わせてください。

12.その他のコメント:
以下の課題についてレポートをワープロで作成し、科目責任者(重本 隆一:shigemot@nips.ac.jp)に締め切り日までに提出してください。MSWordまたはpdfのファイルで作成して、e-mailの添付ファイルとして送ることを原則とします。ただし、MSWordやpdfのファイルが作成できない場合は、メイルの本文として送っても構いません。

【締切日】
平成20年度前期:平成20年9月 1日(月)
平成20年度後期:平成21年2月16日(月)
(締切日に変更がある場合は、改めて連絡します)

【レポートの課題、提出方法】
  1. 脳神経系の細胞構築と神経回路(重本 隆一)
  2. 現代の神経科学の視点から、脳神経系の構成について神経解剖学に残された問題のうち最も重要と思われるものは何か?の問題が重要な理由と問題の解明に向けた研究戦略を論ぜよ。A4用紙1から2枚程度。

  3. 神経の興奮性とシナプス伝達およびその可塑性と発達(鍋倉 淳一)
  4.    1、シナプス可塑性について
       2、神経回路機能の発達変化について
       3、興奮性伝達と抑制性伝達との相互連関について。
    いずれか一つを選び、A4用紙2枚程度にまとめなさい。

  5. イオンチャネル(井本 敬二)
  6. oldman-Hodgkin-Katz equationsについてレポートをまとめよ。
    特に、(1) どのような条件が仮定されているか?
        (2) 適応する場合、どのような制限があるか?
    に留意して欲しい。

  7. 生理機能の分子生物物理(永山 國昭)
  8. 遺伝子情報は発現蛋白質にのみ翻訳される。この過程はDNA配列という1次元情報が蛋白質特異構造という3次元構造に変換される自然現象である。この神秘について以下の関点から自分の意見を述べよ。
    i)この変換過程には物理化学では説明できない生物特有の特徴があるか?、
    ii)この変換過程はアンフィンゼンの「蛋白質変性の可逆性実験」で証明された(1972年ノーベル化学賞)。今では常識である蛋白質変性現象の何がノーベル賞の対象となったのか?
    iii)アンフィンゼン実験は、原理的に、ゆで卵を生卵に戻せることを主張する。本当に戻せるのか?もし戻せないとしたら何が障害か?

    参考文献
    1. 永山國昭「生命と物質−生物物理学入門」東大出版、1999年
    2. 杉本大一郎「複雑システム科学」(第2刷)放送大学教育振興会、2003年

  9. 細胞の生死と容積恒常性の調節(岡田 泰伸)
  10. 動物細胞の容積の変化は何故おこるのか?そしてその後に、動物細胞の容積はどのようにして調節されるのか?それらについて答えよ。

  11. 脳の感覚認知機構(伊佐 正)
  12. 眼球のサッケード運動がどのように認知機能を反映するか、またその基礎にはどのような神経機構が存在するのかを論ぜよ。

  13. 随意運動の脳内メカニズム 大脳皮質運動野と大脳基底核(南部 篤)
  14. 私たちが目標に向かって手を伸ばす運動(到達運動)をする場合、脳のどの部位が、どのような順序で働いていると考えられるか、論ぜよ。

  15. 画像による人間の高次脳機能へのアプローチ(定藤 規弘)
  16. 機能的MRIによる脳賦活検査の原理を説明しなさい。



    Copyright(C) 2007 All Rights Reserved.

    生理学研究所の神経科学のページへ

更新日=2008年4月15日