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リボソームとは?

生命現象の中で重要な働きをするタンパク質の設計図はDNAにありますが、直接DNAからタンパク質を合成することはできません。DNA上の情報は、いったんメッセンジャーRNA(mRNA)に転写され、翻訳という過程を経てアミノ酸がたくさん連なったタンパク質を合成します。この翻訳で重要な働きをするのがリボソームとトランスファーRNA(tRNA)です。

リボソームはmRNAをくわえ込み、 アミノ酸の運び屋であるtRNAは、その中でmRNAのコドンを認識します。 そして、リボソームの酵素作用によって隣り合ったアミノ酸がペプチド結合をし、ペプチド、さらにはタンパク質となります( 「リボソームの働き」参照)


リボソームとは? 画像

リボソームは、数本のRNA分子と50種類ほどのタンパク質からなる巨大なRNA・タンパク複合体です。全体として大小2つの粒子に分かれ、それぞれ 50Sサブユニット、30Sサブユニットと呼ばれています(下の表を参照)。

これらのサブユニットの中心部にはRNA分子があり、その表面には多くのタンパク質が結合しています。ただし、2つのサブユニットが会合する接触面にはタンパク質は存在せず、RNAどうしが直接接します。

このようなリボソームの立体構造は、最初は主に電子顕微鏡によって観察されていましたが、近年では丸ごとのリボソームを結晶化して、X線結晶構造解析法を適用することにより、精度の良い高分解能像が得られるようになりました。ここに掲載されている立体構造は、すべて最新の原子座標データ(「関連情報」を参照)を用いて構成した画像です。それぞれのサブユニットへの分離、RNAとタンパク質の関係、あるいはリボソームを輪切りにしたときの断面図などは、「リボソームの立体構造」の項目を参照してください。

リボソームの構成(大腸菌リボソームの場合)
 
RNA
タンパク質
分子量
30S サブユニット 16S RNA
21種類
900,000
50S サブユニット 23S RNA, 5S RNA
34種類
1,800,000
70S 粒子 両サブユニット(30S + 50S)の会合体  
2,700,000
注)Sは沈降平衡法によって粒子の大きさを求めるときの単位(=沈降係数)であるが、分子量とは必ずしも比例しないため会合体は80Sでなく「70S」となる。