染サイカルチャースクール

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研究者のためのイラストレーター講座〜その7〜
- Jun-ichi Nakayama中山 潤一
敷居の高いソフトの一つとして、Adobeのイラストレーターがある。
まずは、最初の一歩を踏み出すこと。その作風?で定評のある潤ちゃんこと中山潤一に初歩から奥義まで教えていただく。
はじめに
まだまだ寒い日が続きますが、ようやく梅の花がほころぶ季節になってきました。年度替わりのこの時期皆さん忙しくされていると思いますが、お元気でしょうか?この連載もとうとう7回目を迎え、残りあと数回を数えるだけになりました。前回の連載で、ほとんど反響が無く、と自嘲気味に書きましたが、班員である藤田さんの研究室の杉本さんから「お絵描きコーナーのおかげでイラレを使うようになってすごく良かったです」という感謝の言葉をもらうことができました(藤田さんから間接的に聞いただけですけど・・)。趣味の延長のような連載ですが、このようなポジティブな感想をいただけるととても有り難いです。さて、今回はちょっと使えるようになったら便利かな、というような操作を紹介してみようと思います。
「フィルタ」と「効果」の違い
図1
イラストレーターを使っていて、何となく分かったようで分かっていない点として「フィルタ」と「効果」のメニューがあります(羊土社の本のp81にも書いてあります)。「スタイライズ」や「パスの変形」など共通する
項目が存在するので、余計に素人には分かりにくい気もします。基本的に「フィルタ」は、元のオブジェクトのパスを変更するものです。例えば直線に対して「フィルタ」→「パスの変形」→「ジグザグ」を選択、適当な数値を入力して直線をジグザグにしてみて下さい。実際に元のパス(水色の線)が変形されているのが分かると思います。これに対して同じ直線を「効果」→「パスの変形」→「ジグザグ」を選択してジグザグにすると、元のパスはそのままで「見た目(アピアランス)」だけ変更されている、のが分かると思います。一度「フィルタ」で変更したパスは元に戻すことはできませんが、「効果」の方は「アピアランスパレット」(図1)から変更することができます。パラメーターを変更することも、削除して元に戻すことも可能です。1つのオブジェクトに対して幾つもの変更を重ねる場合は、「効果」で見た目のみ変更して作業する方が良いかもしれません。
パスファインダを使いましょう
効果の中に「パスファインダ」というメニューがあります。この効果を使うと、重なり合っているオブジェクトから新しい形のオブジェクトを作成することができます。ブルダウンメニューの効果からパスファインダ効果を出すことはできますが、簡単に理解してもらうため、今回は「パスファインダパレット」(上図)を使った操作を簡単に紹介します。
まず、正方形(青)と円(赤)を適当に書いてみて下さい。
この二つの図形を選択した状態で、パスファインダパレットの上段(形状モード)の左端「形状エリアに追加」をクリックしてみてください。すると下図のように二つの形状が合わさった、新しい形状が作られます。
新しくできた形状の属性は、一番上のオブジェクトの属性(例えば赤色)が適用されます。
この時見た目には一つになっているように見えますが、パスを見ると元の形状の情報が保持されていることが分かります。この新しいオブジェクトを選択した状態で、「パスファインダパレット」の上段右の「拡張」をクリックすると、新しくできたオブジェクトの輪郭が一体になります。この操作を覚えると、複雑な形状を組み合わせて作ることが容易にできるようになります。
パスファインダ(型抜き)
今度は型抜きによって新しいオブジェクトを作ってみましょう。分かりやすいように正方形(青)と円(塗り無し)を作ります(円の方を前面にします)。

この二つの図を選択した状態で、「パスファインダパレット」上段「形状モード」の左から2番目「形状エリアから前面オブジェクトで型抜き」というボタンをクリックします。そうすると、背面の正方形を上の円で切り抜いたオブジェクトが作られます。

この図の時も元の正方形と円の情報が維持されていますので、「拡張」ボタンを押すことで、最終的なオブジェクトの形にパスが変換されます。
今度は一番初めに描いた青の正方形と赤の円のオブジェクトに対して、同じ「形状モード」の左から3番目のボタン「形状エリアを交差」というボタン、あるいは右端の「重なり合う形状エリアを除外」というボタンをそれぞれクリックすると、二つの形状で重なった部分の形状(下図左)、あるいは重なった部分が切り抜かれた形状(下図右)に変換されます。
パスファインダの操作がだいぶ身近なものになったのではないでしょうか。
応用編
今回の操作を覚えれば、例えば鍵と鍵穴のような関係の二つの分子(下図左)や、ヒストンを認識するドメイン(右)を描いたりすることも簡単だと思います。是非自分のプレゼンに応用してみてください。
おわりに
今回は「パスファインダ効果」の非常に簡単な部分だけ紹介しました。知っておいたら便利な操作として覚えてもらえたら良いかと思います。また興味がある人は、他の効果もいろいろ試してみてください。(J.N.)。