染サイカルチャースクール

染サイカルチャースクール
  • 潤ちゃんのお絵描き塾

  • 研究者のためのイラストレーター講座〜その6〜

  • Jun-ichi Nakayama中山  潤一

敷居の高いソフトの一つとして、Adobeのイラストレーターがある。
まずは、最初の一歩を踏み出すこと。その作風?で定評のある潤ちゃんこと中山潤一に初歩から奥義まで教えていただく。

はじめに

  ようやく暑さが和らいで夜には虫の音も聞こえるようになってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?この連載も6回目を迎えましたが、「おかげでイラストレーターが使えるようになりました!」という喜びの声を聞くことはほとんど無く、かなり地味に連載を続けています。これまでの連載で基本的な操作はだいぶ紹介してしまったので、今回は数少ないリクエストの中にあった「ヌクレオソーム」の描き方を紹介してみようと思います。ほとんど難しい操作無しで描けるものですので、是非試してみたら良いかと思います。

コアヒストンを描いてみよう!

  まず「楕円形」ツールを使って縦長の楕円を描きましょう(線幅0.5 pt)(Step1)。次に[編集]プルダウンメニューの[コピー]と[ペースト]で同じ図を横に並べて下さい(Step2 (2))。コピーしてできた新しい楕円の左側のアンカーポイントを[ダイレクト選択ツール]で選択するとStep3 (2)のような状態になります。
  この状態で[delete]キーを押すと、左側半分が欠けた楕円形の右半分が残ります(Step4 (2))。この楕円形の半分を同じように[コピー]&[ペースト]してもう一つ右に並べ、[整列]のコマンドで[垂直方向上に整列]をしておきます(Step4 (3))。この後、[ダイレクト選択ツール]で(2)の上方のアンカーポイントをクリックして選択、その後[シフト]キーを押したまま右側の半楕円(3)の同じ上方のアンカーポイントをクリックして選択するとStep5のような状態になります。
  この状態で[オブジェクト]プルダウンメニュー内の[パス]>[連結]を選ぶと、選択した2点のアンカーポイントがパスで連結されます(Step6 (2)と(3))。同様な操作によって、(2)と(3)の下方のアンカーポイントを選択し連結させると、Step7のような状態になります。
  最初に作図した楕円を適当に配色(ここではC0, M7, Y15, K0)し、パスを連結させて作った図形(2)をグラデーションで配色します(注:図形を選択した状態で塗りにグラデーションを設定>グラデーションパレットの(オプションを表示)をクリック>種類「線形」角度「90°」を入力>グラデーションの分岐点を真ん中に一つ追加>両端を(C23, M38, Y63, K0)、真ん中を(C0, M8, Y15, K0)と指定するとStep8のような状態になります。詳しくは直接聞いて下さい)。
  最後に着色した図をきちんと揃えるとStep9のような図になります。これで樽型のコアヒストン8量体の完成です。

step1 step2
step3 step4
step5 step6
step7 step8
step9

DNAを描きましょう。

   次にコアヒストンに巻き付いたDNAを描きましょう。まずStep3の操作で作った楕円形の半分を同じように用意します。これを[回転]ツールで時計回りに少し回転させ、先ほど作製したコアヒストンの上に置きます(Step10)。DNAがコアヒストンに巻き付いて見えるようにすこし大きくし(プルダウンメニュー[オブジェクト]>[変形]>[拡大・縮小...]>[縦横比を固定]の欄に「105%」と入力して[OK]をクリック)、線幅を「4 pt」に変更、線パレットで[丸形先端]を選択、最後に線の色を濃い緑(C79, M40, Y100, K23)に変更するとStep11のような状態になります。
  次に巻き付いているDNAを少し立体的に見えるようにしましょう。簡単な図形ならば、グラデーションによって立体感を出すことができますが、こようなの図の場合、グラデーションではなかなか立体感を出すことは難しいと思います。そこで同じ形状で少し小さな図を薄い色で重ねるという操作で立体感を出してみます。
  まずStep11のDNAの線を選択した後、プルダウンメニュー[オブジェクト]>[パス]>[パスのアウトライン]を選択します。この操作によって、線の図形が同じ線幅をもった塗りの図形に変換されます(Step12)。次にプルダウンメニュー[オブジェクト]>[パス]>[パスのオフセット]を選択すると「パスのオフセット」ウィンドウが出てきますので、オフセットの数値に(-0.3 mm)を入力してOKをクリックすると、内側に小さな新たなオブジェクトが現れます(Step13)。
  この新しいオブジェクトの塗りを明るい緑(C66, M0, Y100, K0)にするとStep14のような図になります。グラデーションとは異なる操作ですが、なんとなく立体的に見えるのが分かると思います。このオフセットの操作で少しずつ小さい図を重ね、それぞれの色を変えていけばもっときれいなグラデーション効果を与えることができます。
  このようにしてできた濃い緑と明るい緑の図を[グループ化]した後[コピー]&[ペースト]で新たに2個オブジェクトを作り、そのうち一つを同じコアヒストン状に配置し、もう一つを回転ツールで大きく回転させて、プルダウンメニュー[オブジェクト]>[アレンジ]>[最背面へ]という操作でコアヒストンの左側に配置するとStep15のような図になります。
  こうしてできた図を[コピー]&[ペースト]で複数作り、それぞれ並べるとStep16のような図にできると思います。
  コアヒストンの樽状の図は、以前紹介した3Dツールでも下のように基本図形から作ることはできますが、配色など応用に向かないので、上で紹介した方法の方が簡単で良さそうに思います。

step10 step11
step12 step13
step14 step15
step16

おわりに

  今回紹介する描き方は、恐らく幾つもある描き方の一つだと考えてもらったら良いと思います。ヌクレオソームはコアヒストンの八量体とDNAを描くだけのものですが、ヌクレオソームを球状にしたり樽状にしたり色々な描き方がありますので、今回の描き方を参考にいろいろバリエーションを作ってみたら良いと思います。ただクロマチン関係の研究者でなければは全然役に立たないかもしれませんが…(J.N.)。

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(おまけのバリエーション)


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