文部科学省科学研究費補助金『特定領域研究』/染色体サイクルの制御ネットワ−ク
染色体サイクル
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染サイカルチャースクール
潤ちゃんのお絵描き塾
研究者のためのイラストレーター講座 その4
中山 潤一
理化学研究所・発生再生科学総合研究センター・チームリーダー
敷居の高いソフトの一つとして、Adobeのイラストレーターがある。
まずは、最初の一歩を踏み出すこと。その作風?で定評のある潤ちゃんこと中山潤一に初歩から奥義まで教えていただく。
はじめに
 暑い日が続きますが、みなさん夏バテなどしていないでしょうか。このニュースレターが発刊される頃には暑さも緩んでいる頃ではないかと思われます。さて、本特定領域もいよいよ中間評価を受ける時期となりました。つまりこの「お絵かき塾」の連載も中間地点のはずです。もともときちんと予定を立てて企画を開始したわけでもなく、某実験医学誌のおかげで紹介するネタがほとんど無くなり、まるで自転車操業のような状態の連載ですが、なんとか最後まで続けられればと思っています。前回は主にメッシュツールを使って「立体的」な絵を描くことを紹介しました。今回はレイヤーの使い方の基礎と、立体的な絵を描くための機能である「3D」というツールを紹介してみたいと思います。
レイヤー
 レイヤーとはイラストを構成する「層」のことです。このレイヤーについては実験医学の連載(第2回)でも説明されていますが、この機能をきちんと理解して作図をすると、以下のようなメリットがあります。

1.複雑なイラストの管理が容易になる
2.必要な部分だけの表示、変更、ロックができる
3.上位、下位の関係が整理しやすくなる

 またこのレイヤー機能を使うと、イラストレーターで作成した図をもとに、パワーポイントなどの発表用ツールでのアニメーションと似た効果を作り出すことが出来ます。
 新規レイヤーに名前を付けて作成するまでは、イラスト実践講座第2回(9月号p2117)を参照して下さい。簡単に手順を説明すると、

1)メニューバー「ウィンドウ」から「レイヤー」を選択し画面に表示
2)レイヤーパレットメニュー[右図のBボタン]から、「新規レイヤー」を選択
3)名前を入力しOKを選択

レイヤーの移動や選択、また表示やロックは、レイヤーパレット上で簡単に行うことが可能です。
 このレイヤーの機能を使って私達の研究領域内の共同研究の関係を書いてみました(下図)。

(完成図)
 この図は以下の3つのレイヤーの重ね合わせで構成されています。

(レイヤー1:背景)


(レイヤー3:班員)

(レイヤー2:矢印)
 なんとなくレイヤーと作図の関係が分かってもらえたのではないでしょうか。このようにレイヤーを管理しながら作図をすると、個々の位置関係の把握や変更がとても容易になります。一般に作図した画像をパワーポイントなどの発表ツールで用いる場合、「JPEG」、あるいは「PNG」のようなファイル形式で書き出し、通常これをパワーポイント等のファイルに図として挿入していると思いますが、この時に、例えば矢印のレイヤー2のみ非表示([A]ボタンで変更)にして書き出すと、以下のような画像にできます。
 この図と最後の「完成図」を同じスライド上に大きさと位置をそろえて配置し、完成図の方を「クリック時に表示」という設定にしておけば、班員を結ぶ矢印が背景と班員の間の層に浮き上がるような効果が出せるはずです。
 パワーポイントで作成した図であれば、わざわざこんな手の込んだことをしなくてもアニメーション効果は出せますが、グラデーションや陰影や色の効果など、イラストレーターでしか出来ない作図の技術を生かしたい場合は、このようなレイヤーを使った方法が簡単で有効だと思います。いくつものアニメーション効果を一度に出したい場合は、挿入するファイルの数が多くなり、全体としてサイズが大きくなりますので、書き出す際に解像度を落として軽い画像にするのがポイントだと思います。また、このように背景とその前面のオブジェクトを分けて管理することができれば、その応用編として、例えばPhotoshopとセットの「Image Ready」というソフトを使って、自分で簡単にアニメーションを作成することができます(これは時間があれば次回以降に紹介します)。
3Dツール
 今回はもう一つおまけに「3D」ツールについて紹介します。私はCS2になってはじめてこのツールの存在を知ったのですが、なかなか楽しいツールなので、皆さんも是非いろいろな立体図を書いてみて下さい。
 まず最初に、四角形ツールで適当に長方形を描いてみて下さい。(塗り:緑、線:無し)

次にこの長方形を選択したまま、メニューバーの「効果」から「3D」「押出し・ベベル…」を選択すると右のようなウィンドウが現れます。

 細かいオプションを変更せずにこのまま「OK」を選択すると、先ほどの緑色の長方形が右のような立体図に変換されます。

 こんなに簡単に立体図が描けるなんて初めは驚きました。「3D押し出し・ベベルオプション」の細かい設定を変更すると、奥行き、立体の形状、光源の位置や方向などを変化させることが出来ます。また、以下のような半円を作成してみましょう(実際には円ツールで正円を作成して、ダイレクト選択ツールで右端のアンカーポイントのみ削除すれば出来ます)。




 この半円を選択したまま、今度は「効果」「3D」の「回転体」を選択し、回転軸を「右端」にしてOKを選択すると、以下のような球体に変換されます。

先ほどと同様に、光源に位置や陰影の加減を調整することが出来ます。ちなみに回転軸を「左端」すると、上の半円の左端を軸にした回転体の立体映像が描画され次のような図になります。

 どのような基本図形を描けば、最終的な立体像になるかいろいろ試してみてはいかがでしょうか。




おわりに
 いやはやコンピュータの計算能力が上がったことが大きな要因なのかもしれませんが、立体図がこんなに簡単に素人にも描けるようになるなんて、と言う感じです。今回はこの立体効果を「リレーエッセイ」の挿絵に応用してみました。何処に使われているか探してみて下さい。まあ立体図を駆使してかっこいいモデル図が書けたとしても、それを支持するデータがなければ意味無いのですけど…(J.N.)。
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代表者あいさつ 編集後記 ©2007  染色体サイクル