敷居の高いソフトの一つとして、Adobeのイラストレーターがある。
まずは、最初の一歩を踏み出すこと。その作風?で定評のある潤ちゃんこと中山潤一に初歩から奥義まで教えていただく。 |
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| はじめに |
| だいぶ日が長くなり、徐々に温かくなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。この連載も3回目を迎えました。前回の第2回でもお知らせしましたが、羊土社の「実験医学」誌で「研究者のためのイラスト実践講座」という連載がありまして、基本的な技術はほとんど紹介されてしまいました。実際に各回の指示に従って図を書いていくと、基本的な技術が学べるように配慮がなされているだけでなく、これまで私も知らなかったようなポイントが何点か紹介されていました。もし研究室で実験医学を購読されていて、手元に連載が載っている号があれば、実験の待ち時間の間にでもボスに見つからないように、Adobe Illustratorの練習をしてみるのも良いかと思います。それでは今回何を紹介するか、というと困ってしまうのですが、幸い実験医学誌の連載は5回で終了してしまい、私が普段使っている技術で紹介されていないものもいくつかありました。今回はそのうちの一つ、立体的な絵を描くということを紹介したいと思います。 |
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| グラデーション |
| 楕円ツールを使って自分が扱っている因子の絵を描くことは、普段から皆さん行っていると思います。実験医学誌の連載でも「グラデーション」については紹介されています(第2回p2176)。実際に楕円ツールで楕円を書き、これにグラデーションで色をつけるとこんな感じになるはずです(「円形」を選択、分岐点のカラーを示す鉛筆マークの左側は白色のまま、右側はCMYKのCを50%、他のMYKは0%にする)。 |
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| 何の濃淡も無いノッペリとした色の楕円に比べたら、このグラデーションを付けるだけで、かなり立体的になると思います。ここまでは連載でも紹介されていますし、皆さんも良く使われているのではないでしょうか。ただこれだけでは、立体感は中途半端な感じがしますので、この図に手を加えていくことにします。 |
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| グラデーションメッシュ |
先程の楕円のオブジェクトを選択したまま、画面上段のメニューバーの「オブジェクト」から「グラデーションメッシュを作成」を選択すると、「グラデーションメッシュを作成」というダイアログが現れます。このダイアログ中で:
「行数」「3」
「列数」「3」
「種類」「中心方向」
「ハイライト」「100%」 |
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| を選択して、「OK」にすると下記のような3行3列に分割されたオブジェクトに変換されます。 |
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| この3行3列に分けられたオブジェクトの中身を、「ダイレクト選択ツール」で選択して見ると、実際には20のアンカーからなるオブジェクトであることが分かると思います。 |
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このオブジェクトの色がどのように決められているかというと、1〜4の内側のアンカーポイントが「白」、5〜20の周縁のアンカーポイントが「黒」になっています(実際には5,9,13,17の四隅のアンカーは、オブジェクトの色には反映されていません)。「ダイレクト選択ツール」を使ってそれぞれのアンカーの色を決定することで、メッシュに分けられた各交差点のアンカーの色が決定され、その内側の区画は各アンカーの中間色が自動的に決められます。まず「ダイレクト選択ツールで」全体のアンカーを選択した後、「シフトキー」を押しながら真ん中の1〜4のアンカーで囲まれた区画をクリックすると、1〜4以外の全てのアンカーが選択されます。この状態で「カラーパレット」を見ると白と黒の「グレースケール」になっていますが、パレット右上の黒三角▲をクリックしてCMYKに変換し、C 50%, M 0%, Y 0%, K 0%に変換すると右のような図になるはずです。
グラデーションの感じが、最初の図に比べてずいぶん違って見えるというのが分かると思います。さらにこの図を元にダイレクト選択ツールで各アンカーを選択しそれぞれの色を個別に変えていくことにします。 |  |


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(アンカー5.9.13.17は色を変えてもオブジェクトの色には反映されないので変換していません)
以上のように個々のアンカーの色をそれぞれ指定すると、このような図になるはずです。
斜め上方に光源があるような立体的なオブジェクトに変換されたのが分かると思います。このようにメッシュでグラデーションを付けると、立体的なオブジェクトに変えることができますが、一旦色を付けたオブジェクトを別の色に変換する際に、比較的手間がかかるという難点もあります。先程のCMYKのCの%を全てMの%で置き換えると、下のような色のオブジェクトに変換することが出来ます。 |  | 
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| 影をつけましょう |
この様にグラデーションメッシュでオブジェクトの色を付けるだけでなく、オブジェクトの影を付けることで、さらに立体的な印象を与えることが出来ます。画面上の「フィルタ」から「スタイライズ」「ドロップシャドウ」を選択すると「ドロップシャドウ」ダイアログが現れます。このダイアログの中身を変えると、いろいろな影を付けることが出来ますが、今回は初期設定のまま(描画モード「乗算」;不透明度「75%」;X軸オフセット「2.47mm」;Y軸オフセット「2.47mm」;ぼかし「1.76mm」)で、カラーのみ、オブジェクトに近い黒系の色をパレットで選択し「OK」を選択すると下のような影を付けることができます。
最初のグラデーションに比べたら、ずいぶん立体的なオブジェクトになったのが分かると思います。 |
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| 一口メモ |
| ここまで原稿を書き進んできましたが、「研究の発表にイラストレーターを使うにしても、そこまで凝った絵を描くほど暇じゃない、アホか」という声が聞こえてきそうな気がしてきました・・・。まあ、将来どこでどんな技術が役に立つか分かりませんので、是非立体的な絵を描いて、発表に応用してみてください。皆さんの発表で、立体的な絵を見るのを楽しみにしています(J.N.)。 |
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