領域代表 倉田のり
この度、平成18年度発足の特定領域研究として私たちが企画しました「植物の生殖過程におけるゲノム障壁」が採択され、発足記念シンポジウムを開催する運びとなりました。この研究領域は(1)植物の生殖過程の様々なステップで働く遺伝子群とその機能、および(2)異なるゲノムが出会った時に遺伝子間で起こる様々な遺伝的不具合=ゲノム障壁、の2つの研究を有機的に結びつけて、生殖過程でゲノム障壁として働く因子群を解析しようとするものです。なぜ単一のゲノムの中では全うに機能を果たす遺伝子が、ゲノムの異なる組み合わせではゲノム障壁が生じて生殖的な隔離を引き起こすのでしょう。ゲノムの進化と生殖の不思議に絡んで興味つきないテーマです。
「植物の生殖研究」と「植物のゲノム分析・ゲノム研究」は、日本では古くから脈々とした研究の流れを持ち、特異な研究分野も開拓してきました。また、この10年にわたるゲノム全塩基配列の解読によって、次へのステップの展開を図る基盤が整ってきました。このタイミングで私たちの特定研究を開始することができるのは、班員一同にとって大きな喜びです。このシンポジウムでは計画班員10名の研究内容の紹介を聞いていただき、また、支援班や総括班の活動予定を含めた研究班全体の枠組みもお話しします。
この特定研究に関心をお持ちの皆さまから、暖かいご意見、辛口の批判をたくさんいただいて、5年の間にこの研究領域が大きく育つようにご協力、ご支援を心よりお願いする次第です。