(3) 神経細胞の発生・分化を制御する転写因子:斎藤哲一郎,中辻憲夫
哺乳類の神経系には多種多様な神経細胞が存在し,この多様な神経細胞の活動で脳の高 次機能が営まれている.哺乳類の神経細胞の発生は,ショウジョウバエと同様に,ヘリッ
クス・ループ・ヘリックス(HLH)型転写因子で制御されることが明らかになってきている. 我々は,個々の神経細胞の分化において,HLH型転写因子からPaired様ホメオドメイン
(PHD)転写因子へのカスケードが存在するとともに,HLH型転写因子のMash1やneurogenin2 の発現が,BarHホモローグのMBH1ホメオドメイン転写因子で調節されることを示してき
た.神経細胞の多様性が,これらの転写因子のカスケードでどの様に制御されるのかを分 子レベルで解明するため,哺乳動物細胞を用いた遺伝子発現の誘導実験系で,機能解析を
行っている.また,カスケードにおける転写因子間の関係を明らかにするため,PHD遺伝 子の転写制御領域の解析を進めている.
