(2) 二重鎖DNAの切断に働くMre11蛋白質の機能:太田 力,小川智子
組換えの開始反応である二重鎖切断に働く遺伝子として, MRE11,RAD50,XRS2遺伝子が知られている.Mre11蛋白質は大腸菌SbcDと同じとホスホエステラーゼ配列を持つ.また,
Rad50蛋白質はSbcC蛋白質と同じ様にコイルド−コイル構造を取り,SMCファミリーに属
する蛋白質である.SbcD蛋白質は単独でssDNAエンドヌクレアーゼ活性を示し,SbcCと複
合体を作って,ATP依存のdsDNAエキソヌクレアーゼ活性とATP非依存のssDNAエンドヌク
レアーゼ活性を示す.一方,mre11,rad50 ,xrs2欠失変異株は減数分裂期に特異的な組換えのホットスポットに2重鎖切断を導入できない.また,
mre11とrad50の点変異株のある種のものは,2重鎖切断を形成するが,その後に続く,DNA鎖の5'-3'の消化ができない.
これらの結果から,Mre11/Rad50複合体がSbcD/SbcC複合体と同じような活性を持つと考え
た.そこで,Mre11蛋白質を精製して,ヌクレアーゼ活性を調べたところ,ATP非依存の
ssDNAエンドヌクレアーゼ活性が検出された.この活性はホスホエステラーゼ配列に変異
を持ったMre11-58蛋白質では検出できなかった.