E-d.応用遺伝客員研究部門
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(4)イネの茎頂分裂組織の構築と葉原基の分化パターン:長戸康郎

既に胚発生で茎頂分裂組織が欠失する変異体を解析し,SHL1-SHL4 遺伝子がその分化決定に関与していることを示した. しかしこれらの遺伝子が分化後の茎頂分裂組織の維持に関 わっているかどうかは明らかでない. そこで,SHL2 遺伝子座の弱い対立遺伝子shl2-6 を同定した(原著論文10). shl2-6 は発芽後2,3葉を分化した後枯死した. その時点で茎頂分裂組織は確認できなかった. 胚発生過程を調べたところ,茎頂分裂組織は分化するが,第2葉を分化する頃には消失した. 従ってSHL2 遺伝子は茎頂分裂組織の維持にも必須である. その後の解析により,shl2-6 では葉序など葉原基の分化パターンも異常になっており,茎頂分裂組織の維持と葉原基の分化パターンが密接に関連していることが明らかになった.

不規則な葉序と短い葉間期を示す sho変異体を解析し,葉原基の分化パターンには茎頂分裂組織の形が重要であることを明らかにした(原著論文7). sho変異体の茎頂分裂組織では,未分化な細胞が極端に減少し,そのほとんどは葉原基に分化しうる細胞で占められ,その結 果異所的に葉原基が分化する. 従って,SHO遺伝子は茎頂分裂組織の中の未分化な細胞群の維持に関わっていると考えられる. また,sho変異体の葉は,中央部分のみが生長した糸状になっており,葉原基の分化位置が葉の形態形成にも影響することが示唆された.