大学院生からのメッセージ#1     大学院生からのメッセージ#2          インタビュー: 2011年 5月 田邉さん

●研究内容

 野生マウスのいきいきした行動のもとになる遺伝子は何かを調べています。 野生マウスと実験用マウスは、例えればオオカミとイヌのように行動が違います。その違いを生み出している遺伝子を突き止めたいのです。 具体的な方法は、野生マウスと実験用マウスを交配させて、40本の染色体のうち、野生マウス由来の染色体を1本だけ持つものをつくり、実験用マウスと比較するようなことをやっています。 比較して行動の違いがあれば、その行動を生み出す遺伝子は1本だけ違う染色体にあると考えられます。 行動の違いは「不安様行動」というものを見ます。 初めて経験する場所にマウスを入れると、怖がって探索したり、ちぢこまったり、立ち上がって周りを見たりという行動をとります。 そうした動きをカメラで記録し、どんな行動をどのような頻度や時間で行ったか、コンピュータで計測、解析しています。その解析ソフトは自分で作りました。

●研究のきっかけ

 大学ではコンピュータサイエンスをやっていたんです。でも将来を考えると、ずっと机に向かってキーボードをたたいているのは続けられないと思いました。 そこで、もともと動物が好きだったので、動物を扱う研究をやりたいと考えました。 実験用マウスは誰もが扱っているので面白みがなく、野生マウスに興味を持ちました。

●大学院を選ぶときに

 大学院へ進もうと思ったときに、自分の大学の大学院は嫌だなと。たくさんの選択肢があるのだから、わざわざ同じ所でなくてもいいと思い、自分のやりたいことができるところをいろいろ調べました。 科研費を取れているところなど、いくつかリストアップして、研究室のボスにメールを送り、アポを取り、研究室訪問旅行に行きました。奈良先端科学技術大学院大学、国立遺伝学研究所、筑波大学などです。 探すときには、大学院大学を中心に探しました。大学にある大学院だと、研究の道に進む気がない学部生なんかも出入りするので、そういうのはわずらわしい。 大学院大学なら、外から人が集まってくる。 つまりやる気のある人ばかり。やる気のあるもの同士、盛り上がれそうだと思いました。 その選択は大正解でした。ここでは本当に、研究を好きなだけできます。 ただ予想よりも学生の数が少なかったですが・・・。(笑)

 遺伝研に決める後押しとなったのは、大学院のシステムです。 学生が少ない、だから指導はしっかりしてくれるということ。 生活支援制度(リサーチアシスタントによる経済支援)があるのも大きかったです。

田邉さん

●試験について

 試験は2回落ちて、3回目に受かりました。非常勤の研究員として働きながら受けました。 英語は大変でしたが、論述試験は当たり前のことをしっかりやれば大丈夫です。 ただ、発表の準備はしっかりとやるべきです。これがダメならダメです。 いつも思うのは、自分の研究について、どういう立場の研究で、どういう意味があるのか、ということをしっかりとした理論で表現できることが重要です。





大学院生からのメッセージ#1     大学院生からのメッセージ#2          インタビュー: 2011年 5月 神澤さん

●研究内容

 斉藤成也教授のもとで学んでいます。斉藤教授の著書「DNAから見た日本人」という本を読んだのが、今の研究をやることになったきっかけです。 日本各地から発見された古い人骨(縄文〜江戸時代)をサンプルとして、そのDNAを解析します。 骨を細かく砕いて薬品処理し、核DNAやミトコンドリアDNAを抽出し、塩基配列を調べます。 例えば、北海道の人と関東の人は遺伝的に隔たりがあるのですが、そのボーダーはどこにあるのかを調べるために、東北の人のサンプルを解析しようとしています。 古い骨からはDNAを取り出すことが難しく、取れても断片的なものだったりして、なかなか統計的に充分なデータが集まらないのが大変です。 日本人の起源や歴史を明らかにするこの研究は、誰もまだやっていないことに挑戦するので、やりがいがあります。

●大学院を選ぶときに

 大学院を決めるときは、4か所見てまわりました。いろんな分野をいろいろ見て、自分のやりたいことをはっきりさせました。   自分に合ったところを選ぶのが大切だと思います。   ここに決める決め手になったのは、大学院のシステムです。先生と学生の比率、講義内容、周りのレベル、学生をサポートしてくれる制度や体制、英語の授業などが良いと思いました。

●バスツアーについて

 バスツアーは私も参加しました。とても良かったです。大学院生が乗っていて、学生の質問に答えてくれました。実際の大学院生の話は入学後の生活をイメージしやすかったです。 他の学生から出る質問を聞いて「そういう考え方もあるのか」ということも参考になりました。

●試験について

 過去の問題を解いたりはしましたが、暗記してできるような試験ではないので、やはり思考力が問われます。 面接はつらかったですね。先生が4,50人いて、学生は1人ですから。本当につらかったです。 やりたい研究テーマについて、きちんと考えているか、自分の中で練られているか、研究をする能力があることをアピールすることが大切でした。

●研究生活

 ここでは研究に没頭できます。大学にある大学院とは雰囲気が違います。周りは研究オンリーで、学生というよりも研究者として、みてくれます。 先生同士が近く、大学院生と先生も近い。1対1で話をすることが多いです。

●英語教育

 今の研究室には外国人研究者もいて、ディスカッションなど日常的に英語を使います。 英語が得意ではなかったので大変でした。 遺伝研は英語力アップに力を入れています。所内の研究発表やシンポジウムなどはすべて英語です。研究者として生きていくにはグローバルに活動することが必要だからです。 そのため、英語の発表や論文などの講義があり、レベル別にもなっています。やる気があればしっかり英語が身につくので、大丈夫です。